第22回 言語聴覚士国家試験 第181問
器質性構音障害第22回
舌半側切除患者で障害されやすい音はどれか。
a.声門音
b.破裂音
c.破擦音
d.両唇音
e.接近音
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b,c(破裂音、破擦音)
舌半側切除により舌の精密な運動機能が低下するため、舌の位置決めと形態制御が重要な音が障害されやすくなります。破裂音(舌位置の正確さが必須)と破擦音(舌の複雑な動き必要)は顕著に障害されますが、声門音や両唇音は舌への依存性が低く、接近音は比較的保持されることが多いです。
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【各選択肢の解説】
a. 声門音(/h/)
❌ 誤り。声門音は声帯の振動で産生され、舌の運動にほぼ依存しません。舌半側切除の影響を受けにくいです。
b. 破裂音(/p/,/t/,/k/など)
✅ 正しい。破裂音は舌先や舌背で正確に口腔内を閉鎖する必要があります。舌半側切除により舌の器用性が低下し、的確な位置決めが困難になるため、著しく障害されます。
c. 破擦音(/ts/,/tʃ/など)
✅ 正しい。破擦音は破裂と摩擦の段階的制御が必要で、舌の複雑で精密な動きが求められます。舌半側切除による運動機能低下の影響を大きく受けます。
d. 両唇音(/p/,/b/,/m/)
❌ 誤り。両唇音は唇の動作で産生され、舌の関与が最小限です。舌半側切除の影響は相対的に少なく、比較的保持されることが多いです(/p/,/b/は破裂音ですが、両唇部位での産生なので舌精密性の影響が限定的)。
e. 接近音(/j/,/w/など)
❌ 誤り。接近音は舌の複雑な位置制御より「接近」という粗い形態制御で足り、舌半側切除後も比較的産生が可能です。破裂音・破擦音ほどの精密性は要求されません。
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【試験対策ポイント】
舌運動と構音障害の関係(重要表)
| 音の種類 | 舌の役割 | 舌半切除での障害度 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 破裂音 | 正確な閉鎖位置 | 著しく障害 | 位置決めの精密性が最重要 |
| 破擦音 | 段階的な複雑動き | 著しく障害 | 閉鎖→開放の協調制御が必須 |
| 摩擦音 | 狭窄形成(一部) | 中程度障害 | 舌位置の影響あるが相対的に少ない |
| 接近音 | 粗い接近 | 軽度~中程度 | 精密性より形態が重要 |
| 声門音 | ほぼ不関与 | 障害なし | 声帯振動のみで産生 |
| 両唇音 | 不関与 | 障害なし | 唇の動作で産生 |
器質性構音障害の特徴
- 舌全切除:全会話音が著しく障害
- 舌半側切除:舌の側方への逸脱、位置決め能力低下が主症状
- 舌先端部分切除:歯音(舌歯音化)が特に障害
- 口蓋裂(修復後も):軟口蓋が十分に動かない→鼻音化(特に /s/ など)
紛らわしいポイント
破裂音は /p/,/b/,/m/ も含まれますが、この問題での「破裂音」の文脈では歯位・歯茎位の舌関連音(/t/,/d/など)を指すと理解してください。両唇