STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第182問

運動障害性構音障害第22回
筋と機能との組み合わせで誤っているのはどれか。
  1. 1.口蓋帆張筋 ― 鼻咽腔の閉鎖 ✓
  2. 2.茎突舌筋 ― 舌後方の挙上
  3. 3.口輪筋 ― 口唇の閉鎖
  4. 4.顎舌骨筋 ― 下顎の開大
  5. 5.後輪状披裂筋 ― 声門の開大

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 口蓋帆張筋―鼻咽腔の閉鎖 口蓋帆張筋(張筋)は三叉神経(V)支配で、口蓋帆を緊張させるが、鼻咽腔を実際に「閉鎖」するのは口蓋帆挙筋(迷走神経X支配)です。口蓋帆張筋はあくまで補助的役割に過ぎず、鼻咽腔閉鎖の主動筋ではありません。これが誤りの根拠です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 口蓋帆張筋―鼻咽腔の閉鎖 ❌ 誤り。口蓋帆張筋は口蓋帆を「張力」させるが、鼻咽腔閉鎖の主動筋は口蓋帆挙筋です。張筋は補助的役割に過ぎず、主には嚥下時に軟口蓋を緊張させます。 2. 茎突舌筋―舌後方の挙上 ✅ 正しい。茎突舌筋は舌骨から舌根部に走行し、舌後方を後上方に牽引します。舌の後方部分の挙上に関与する正確な記述です。 3. 口輪筋―口唇の閉鎖 ✅ 正しい。口輪筋は顔面神経(VII)支配で、唇周囲を環走し、口唇閉鎖と突出の主動筋です。発話・嚥下時に必須の機能を担当します。 4. 顎舌骨筋―下顎の開大 ✅ 正しい。顎舌骨筋は下顎骨から舌骨に走行し、三叉神経(V)支配で、下顎の開大に重要な役割を果たします。咀嚼と開口に関与します。 5. 後輪状披裂筋―声門の開大 ✅ 正しい。後輪状披裂筋は反回神経(迷走神経X)支配で、唯一の声門開大筋です。吸気時の呼吸路確保に必須で、麻痺時の危険性が高い理由です。 --- 【試験対策ポイント】 構音に関与する筋の機能:「張筋vs挙筋」の混同を避ける | 筋名 | 支配神経 | 機能 | |---|---|---| | 口蓋帆張筋 | 三叉神経(V)+ 咽頭神経叢 | 軟口蓋の**緊張化** | | 口蓋帆挙筋 | 迷走神経(X) | **鼻咽腔閉鎖**(主動筋) | | 茎突舌筋 | 舌咽神経(IX) | 舌後方の挙上・後退 | | 口輪筋 | 顔面神経(VII) | 口唇の閉鎖・突出 | | 顎舌骨筋 | 三叉神経(V) | 下顎開大 | | 後輪状披裂筋 | 反回神経(X) | **声門開大**(唯一) | 頻出の紛らわしいポイント: - 張筋と挙筋は機能が異なる→張筋だけでは鼻咽腔閉鎖は不完全 - 反回神経麻痺時は声門開大筋の喪失→呼吸困難の危険 - 構音障害で軟口蓋麻痺→開鼻声(鼻音逆流)が起こる
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