第22回 言語聴覚士国家試験 第186問
嚥下障害第22回
経口摂取訓練の中止を判断する要因でないのはどれか。
- 1.発 熱
- 2.意識レベルの低下
- 3.CRP値の上昇
- 4.血中酸素飽和度の低下
- 5.血清アルブミン値の低下 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 血清アルブミン値の低下
経口摂取訓練の中止判断は、患者の「直近の安全性・安定性」に基づいています。血清アルブミン値の低下は栄養状態を反映する指標ですが、進行が緩徐であり訓練中止の急性的な根拠にはなりません。一方、発熱・意識低下・CRP上昇・酸素飽和度低下は、感染、意識障害、急性増悪を示唆し、誤嚥リスク急増や全身状態悪化を意味するため、訓練中止の直接的な判断根拠となります。
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【各選択肢の解説】
1. 発熱
❌ 誤り。発熱は感染・炎症の兆候であり、誤嚥性肺炎のリスク上昇を示します。患者の全身状態が不安定化しているため、経口摂取訓練は中止すべき根拠となります。
2. 意識レベルの低下
❌ 誤り。意識レベルの低下は、嚥下反射の遅延・減弱、食塊形成の不備、気道防御能の低下を直結させます。誤嚥リスクが著しく増大するため、経口摂取訓練中止の最重要判断要因です。
3. CRP値の上昇
❌ 誤り。CRP上昇は炎症・感染の活動性を示し、誤嚥性肺炎を含む感染症の可能性を示唆します。患者の全身状態が不安定であるため、訓練中止の根拠となります。
4. 血中酸素飽和度の低下
❌ 誤り。酸素飽和度の低下は、呼吸機能の低下と誤嚥による肺への影響を示唆します。気道防御能が低下している状態であり、経口摂取訓練は誤嚥のリスクを急激に増加させるため、中止すべき判断根拠です。
5. 血清アルブミン値の低下
✅ 正しい。アルブミン値は栄養状態の指標であり、低下は慢性的な栄養不良を反映します。この値は訓練の継続・再開判断に関わりますが、「現在の訓練中止」の急性的判断根拠ではありません。むしろ栄養管理(経管栄養の継続など)で対応するべき事項です。
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【試験対策ポイント】
経口摂取訓練の「中止判断」と「栄養状態評価」の区別
| 項目 | 中止判断の根拠 | 栄養管理の評価指標 |
|---|---|---|
| 発熱・CRP上昇 | ✓ 急性増悪 | 感染対応 |
| 意識レベル低下 | ✓ 気道防御能低下 | 神経学的対応 |
| 酸素飽和度低下 | ✓ 呼吸機能低下 | 呼吸管理 |
| アルブミン値低下 | ✗ 慢性的指標 | 経管栄養継続・栄養補給の判断 |
キーワード:「今この瞬間に訓練は安全か」が中止判断の本質。アルブミン値は「長期的な栄養戦略」に属する。