第22回 言語聴覚士国家試験 第187問
吃音第22回
吃音について正しいのはどれか。
a.発吃年齢は2~5歳が多い。
b.発達性吃音は適応効果を認める。
c.学童期の吃音の約80%は自然治癒する。
d.獲得性吃音は一貫性効果を認める。
e.成人吃音者では社交不安障害の合併が多い。
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,b,e
吃音の特性と経過に関する問題です。発症年齢、発達性吃音の特徴、自然治癒率、獲得性吃音との相違、そして成人吃音者の精神心理的合併症について正確に区別する必要があります。
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【各選択肢の解説】
a. 発吃年齢は2~5歳が多い
✅ 正しい。発達性吃音の発症ピークは2~5歳であり、特に2~4歳での発症が最も多いとされています。この時期は言語発達が急速で、運動制御と言語要求のミスマッチが生じやすい時期です。
b. 発達性吃音は適応効果を認める
✅ 正しい。適応効果(adaptation effect)とは、同じ文を繰り返し読むと吃音の頻度が低下する現象です。発達性吃音では典型的にこの適応効果が認められます。これは吃音のメカニズムが学習や神経的慣応に関連していることを示唆します。
c. 学童期の吃音の約80%は自然治癒する
❌ 誤り。一般的には学童期に存在する吃音の約70~80%が成人までに自然治癒するとされていますが、本選択肢では「学童期の吃音の約80%」という表現が曖昧です。より正確には「学童期以前(幼児期)に発症した吃音の約80%が自然治癒する」というのが標準的知見です。表現の不正確さにより誤りと判断できます。
d. 獲得性吃音は一貫性効果を認める
❌ 誤り。一貫性効果(consistency effect)は「同じ単語や文では毎回吃音が起こりやすい」という現象で、発達性吃音の特徴です。獲得性吃音(神経因性吃音:脳損傷や脳卒中後に発症)では一貫性効果は認められず、むしろ様々な語に不規則に吃音が生じる傾向があります。獲得性吃音は適応効果や一貫性効果を欠くことが発達性吃音との重要な鑑別点です。
e. 成人吃音者では社交不安障害の合併が多い
✅ 正しい。成人吃音者では社交不安障害(SAD)の合併率が一般成人の2~5倍高いとされています。吃音による対人場面での不安と回避行動が強化され、二次的な心理的障害として社交不安障害が発展しやすくなります。これは成人吃音の治療において心理社会的支援が重要である理由の一つです。
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【試験対策ポイント】
発達性吃音 vs 獲得性吃音の重要な鑑別表:
| 特徴 | 発達性吃音 | 獲得性吃音 |
|---|---|---|
| 発症時期 | 幼児期(2~5歳)| 成人期(脳損傷後)|
| 発症原因 | 神経生物学的素因 | 脳皮質・皮質下の器質的障害 |
| 適応効果 | あり | なし |
| 一貫性効果 | あり | なし |
| 自然治癒 | あり(約70-80%) | なし |
| 鑑別の鍵 | 対称性・流動性あり | 不規則・固定的 |
吃音の重要な効果現象(頻出項目):
- 適応効果:同じ文の繰り返しで改善
- 一貫性効果:同じ単語で毎回吃音
- 促進効果(読書効果):リズミカル音読で改善
- 忘却効果:時間経過で吃音改善
選択肢cの落とし穴:
「学童期の吃音」という表