第22回 言語聴覚士国家試験 第190問
聴力検査第22回
聴力検査法と、検出できる病態との組み合わせで正しいのはどれか。
- 1.ABR ― 低音に限局する難聴
- 2.DPOAE ― auditory neuropathy spectrum disorder
- 3.ASSR ― 谷型難聴 ✓
- 4.純音聴力検査 ― 聴覚情報処理障害
- 5.COR ― 一側性難聴
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — ASSR ― 谷型難聴
ASSRは40Hz付近の定常反応を記録する検査で、周波数特異性が高く、周波数別の詳細な聴力判定が可能です。そのため谷型難聴(低音と高音に難聴があり中音が良好)の検出に適しています。
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【各選択肢の解説】
1. ABR ― 低音に限局する難聴
❌ 誤り。ABR(聴性脳幹反応)は周波数特異性に乏しく、広い周波数帯域の情報が混在して記録される検査です。低音に限局する難聴などの周波数別の詳細な聴力像を検出することはできません。検査の利点は乳幼児の聴力スクリーニングや脳幹病変の検出です。
2. DPOAE ― auditory neuropathy spectrum disorder
❌ 誤り。DPOAE(歪成分耳音響放射)は外有毛細胞機能を評価する検査です。外有毛細胞が正常に機能していればDPOAEは正常に記録されます。Auditory neuropathy spectrum disorder(ANSD)は内有毛細胞~聴神経の障害であるため、DPOAEは正常(あるいは保持)される傾向があります。むしろANSDの診断に矛盾する結果となります。
3. ASSR ― 谷型難聴
✅ 正しい。ASSR(聴性定常反応)は40Hz付近の周波数特異的な反応を測定し、複数の周波数帯域(500Hz~8000Hz程度)の感度別閾値を客観的に判定できます。低音・高音に難聴があり中音域が比較的良好な谷型難聴の検出に最も適しています。
4. 純音聴力検査 ― 聴覚情報処理障害
❌ 誤り。純音聴力検査は聴力レベル(dB HL)を周波数別に測定するもので、聴覚情報処理障害(APD/CAPD)の検査ではありません。APDは正常聴力を示しながら聴覚的言語理解が障害されるため、言語音識別能検査や両耳分離聴検査などの特殊検査が必要です。
5. COR ― 一側性難聴
❌ 誤り。COR(条件付き体向反応聴検)は生後6ヶ月~3歳程度の幼児を対象とした聴力検査法です。周波数別の聴力測定が困難であり、一側性難聴の検出精度は低いです。また一側性難聴の検出にはティンパノメトリーや骨導・気導の差の評価が重要であり、CORは一側性難聴の標準的検査ではありません。
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【試験対策ポイント】
聴力検査法と適応病態の整理表
| 検査法 | 対象年齢 | 周波数特異性 | 検出できる病態 | できない病態 |
|---|---|---|---|---|
| 純音聴力検査 | 4~5歳以上 | 高い(周波数別) | あらゆる難聴型(谷型・急峻型など) | APD・聴神経障害の特異的判定 |
| ABR | 新生児~ | 低い(広帯域) | 難聴の有無・脳幹病変 | 周波数別聴力像 |
| ASSR | 新生児~ | 高い(周波数特異的) | 周波数別聴力像・谷型難聴 | 脳幹病変 |
| DPOAE | 新生児~ | 周波数別可能 | 外有毛細胞障害 | 内有毛細胞障害・聴神経障害 |
| COR | 6ヶ月~3歳 | 低い | 幼児の聴力スクリー