第22回 言語聴覚士国家試験 第192問
小児聴覚障害第22回
難聴児の養育・就学支援と社会連携について誤っているのはどれか。
- 1.特別支援学校(聴覚障害)は他障害児も受け入れる。
- 2.特別支援学校(聴覚障害)は乳幼難聴児に対する地域支援のセンター的機能を担う。
- 3.身体障害者手帳(聴覚障害)の6級以上で補聴器購入の補助を受けられる。
- 4.身体障害者手帳(聴覚障害)保持者に対する補聴器子乳費用は原則として一律1割自己負担である。
- 5.軽度・中程度難聴児に対する補聴器助成制度は全国で統一されている。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 軽度・中程度難聴児に対する補聴器助成制度は全国で統一されている。
軽度・中程度難聴児の補聴器助成制度は、各市町村が独自に実施しており、対象となる聴力レベル・助成額・助成回数が自治体ごとに異なります。全国統一ではなく、地域格差が存在することが重要です。
---
【各選択肢の解説】
1. 特別支援学校(聴覚障害)は他障害児も受け入れる。
✅ 正しい。特別支援学校は単一障害のみを対象とする教育機関ではなく、複数障害児の受け入れが可能です。聴覚障害を主とする児童生徒であっても、併せて視覚障害や知的障害を有する児童生徒の就学が認められます。
2. 特別支援学校(聴覚障害)は乳幼難聴児に対する地域支援のセンター的機能を担う。
✅ 正しい。特別支援学校聴覚障害は「聴覚障害教育の拠点」として、早期支援・個別相談・聴覚活用指導など、地域における乳幼児難聴児の支援センター機能を担っています。これは改正特別支援教育体制整備ガイドラインで明記されています。
3. 身体障害者手帳(聴覚障害)の6級以上で補聴器購入の補助を受けられる。
✅ 正しい。身体障害者手帳聴覚障害は2級から6級に区分されており、等級2級以上が対象です。ただし選択肢は「6級以上」と表現されており、6級を含んでいるため正しいと判断されます(2級・3級・4級・5級・6級が対象)。
4. 身体障害者手帳(聴覚障害)保持者に対する補聴器購入費用は原則として一律1割自己負担である。
✅ 正しい。身体障害者手帳保持者(聴覚障害等級2級以上)の補聴器購入に対する補助は、費用の9割を公費で負担し、原則として児童・成人を問わず1割が自己負担となります。
5. 軽度・中程度難聴児に対する補聴器助成制度は全国で統一されている。
❌ 誤り。軽度・中程度難聴児の補聴器助成制度は、各市町村が独自に企画・実施する制度であり、助成対象となる聴力基準(例:70dB以上、60dB以上など)・助成額・助成期間が自治体ごとに異なります。全国統一ではなく著しい地域差が存在しており、これは支援の不公平性として社会的課題とされています。
---
【試験対策ポイント】
制度の「統一 vs 個別運用」の区別が重要です:
| 制度・事項 | 統一/個別 | 詳細 |
|---|---|---|
| 身体障害者手帳(補聴器補助) | 統一 | 2級以上が対象。自己負担1割(全国共通) |
| 軽度・中程度難聴児補助 | 個別運用 | 各市町村が独自実施。基準・額・期間が異なる |
| 特別支援学校聴覚障害 | 統一基準 | センター機能・複数障害受け入れは全国共通 |
| 難聴児の早期支援体制 | 国の指針 | 乳幼児聴覚検査・フォローアップは全国推奨 |
頻出ポイント:「全国で統一」という選択肢は極めて限定的です。特に市町村事業(就学支援・補聴器助成・福祉給付)は「自治体ごとに異なる」が原則。