第22回 言語聴覚士国家試験 第196問
成人聴覚障害第22回
騒音職場での職員と環境との評価について正しいのはどれか。
a.週末と休日明けでは聴力がことなる。
b.6か月に一度全員に選別聴力検査を行う。
c.定期健康診断では低音3周波数の評価を行う。
d.雇い入れ時には語音聴力検査を行う。
e.作業環境の評価には等価騒音レベルが用いられる。
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,b,e
騒音職場での職員と環境評価は、産業聴覚学における重要な領域です。騒音誘発性難聴(NIHL)の早期発見と職場環境管理を目的に、各項目で法定基準と実務的運用が定められています。正答はa(一時的聴力変動)、b(選別聴力検査の時間間隔)、e(騒音レベル評価指標)が正しく、c(評価周波数の誤り)とd(検査種別の誤り)は誤りです。
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【各選択肢の解説】
a. 週末と休日明けでは聴力がことなる。
✅ 正しい。騒音に曝露された直後は一時的聴力移動(TTS:Temporary Threshold Shift)により聴力が低下しますが、数時間から数日の安静により回復します。週末や休日明けは騒音曝露がないため聴力は改善し、測定値が異なります。職業性聴力検査では「月曜日早朝ではなく金曜午後以降の測定」を推奨する理由でもあります。
b. 6か月に一度全員に選別聴力検査を行う。
✅ 正しい。騒音職場での聴力管理は「6か月ごと」の定期検査が厚労省基準です。1年に2回実施することで、騒音誘発性難聴の初期段階(高音域の4000Hz凹型聴力像)を早期発見でき、作業配置転換や防音教育の介入機会を確保します。
c. 定期健康診断では低音3周波数の評価を行う。
❌ 誤り。定期健康診断で評価する周波数は「1000Hz、2000Hz、4000Hzの高音3周波数」です。騒音誘発性難聴は高音域(特に4000Hz)から始まるため、低音3周波数(125Hz、250Hz、500Hz)の評価は不要で、むしろ混同しやすい誤選択肢です。
d. 雇い入れ時には語音聴力検査を行う。
❌ 誤り。雇い入れ時の聴力検査は「基準とする純音聴力検査(純音気導聴力測定)」を実施します。語音聴力検査(語音明瞭度測定)は、音声障害や中枢聴覚処理障害の評価が目的であり、一般的な職場衛生管理では行われません。誤選択しやすい項目です。
e. 作業環境の評価には等価騒音レベルが用いられる。
✅ 正しい。職場の騒音レベル評価には「等価騒音レベル(Leq:Equivalent Continuous A-weighted Sound Pressure Level)」が国際標準(ISO 3746)および日本産業衛生学会基準として採用されています。ピークレベルではなく、1日8時間のエネルギー平均で評価し、労働基準法では85dB以上で聴力保護プログラムの実施が義務化されています。
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【試験対策ポイント】
職場聴力管理の基本枠組み
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 雇用時検査 | 純音気導聴力(1,2,4kHz) | 基準値設定・NHLスクリーニング |
| 定期検査間隔 | 6か月ごと | 厚労省基準・TTS回復時間考慮 |
| 定期検査周波数 | 高音3周波数(1,2,4kHz) | NHL早期発見(4kHz凹) |
| 環境評価指標 | 等価騒音レベル(Leq)dB | 1日8時間エネルギー平均 |
| 防音基準 | 85dB以上 | 難聴予防管理義務発生閾値 |
| 測定