第22回 言語聴覚士国家試験 第197問
補聴器・人工内耳第22回
補聴器を装用して測定するのはどれか。
a.裸耳利得
b.最大音響利得
c.実耳挿入利得
d.実耳装用利得
e.ファンクショナルゲイン
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — c.実耳挿入利得、d.実耳装用利得、e.ファンクショナルゲイン
補聴器装用時の利得測定は、実際に患者が補聴器を装用した状態で測定する「実耳測定法」が原則です。c・d・eはいずれも装用状態での測定値であり、より臨床的で有用な指標となります。一方、a・bは補聴器単体の性能測定(カプラー法)に該当するため、装用状態では測定しません。
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【各選択肢の解説】
a. 裸耳利得
❌ 誤り。裸耳利得は補聴器を装用しない「素の状態」での測定値です。耳介の影響を評価する基準値であり、装用状態ではなく裸耳時に測定する逆方向の測定です。
b. 最大音響利得(MPO利得)
❌ 誤り。最大音響利得(Maximum Power Output gain)は補聴器単体の仕様測定であり、耳栓を装着したカプラー内での測定です。装用状態での測定ではなく、補聴器のハード性能評価に該当します。
c. 実耳挿入利得(Real Ear Insertion Gain: REIG)
✅ 正しい。装用状態で測定したマイク位置での音圧と、装用していない状態での鼓膜近傍の音圧の差を求めた値です。実耳測定の基本的指標であり、必ず装用状態で測定します。
d. 実耳装用利得(Real Ear Aided Response: REAR)
✅ 正しい。補聴器装用時に鼓膜近傍で測定した音圧を直接示す指標です。装用状態での鼓膜到達音の測定そのものであるため、装用なしでは測定不可能です。
e. ファンクショナルゲイン
✅ 正しい。裸耳時と装用時の純音聴力閾値の差を周波数ごとに求める方法です。行動聴覚測定法であり、患者が実際に装用した状態での聴覚改善を評価するため、必ず装用時に測定します。
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【試験対策ポイント】
利得測定法の分類:
| 項目 | 測定状態 | 測定方法 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 裸耳利得 | 補聴器なし | カプラー法 | 耳介特性の参考値 |
| 最大音響利得 | 補聴器単体 | カプラー法 | 補聴器の仕様確認 |
| **実耳挿入利得** | **装用状態** | **実耳測定** | **装用効果評価** |
| **実耳装用利得** | **装用状態** | **実耳測定** | **鼓膜到達音確認** |
| **ファンクショナルゲイン** | **装用状態** | **行動聴覚測定** | **聴力改善確認** |
重要な区別:
- カプラー法:耳の形を無視した「補聴器単体」測定→a・b
- 実耳測定法:患者の耳を含めた「装用状態」測定→c・d・e
- 装用状態での測定は必ず3つ(c・d・e)と暗記