STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第198問

補聴器・人工内耳第22回
入力音圧50、60、70、80、90dBSPLで2cm3カプラを用いて測定した補聴器特性を示す。正しいのはどれか。【別図あり】 a.圧縮比は2である。 b.規準周波数レスポンスの高周波数平均値は99dBSPLである。 c.感音難聴には適合しない調整である。 d.最大音響利得104dBSPLである。 e.2,000Hzにおける入力音圧70dBSPLの利得は20dBである。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
第22回第198問 図

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e この問題は補聴器の入出力特性曲線から圧縮比、利得、周波数応答などの基本パラメータを読み取る能力を問う標準的な問題です。図表から正確に数値を抽出し、補聴器の圧縮特性と周波数応答の意味を理解することが解答のカギになります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 圧縮比は2である。 ✅ 正しい。補聴器の圧縮比(compression ratio)は、入力音圧の増加量に対する出力音圧の増加量の比率です。図表から、入力音圧が10dB増加したとき出力音圧が5dB増加している場合、圧縮比=10÷5=2です。これは線形増幅(圧縮なし)の場合は1:1であるのに対し、2:1圧縮では動的範囲を効果的に制限できます。 b. 規準周波数レスポンスの高周波数平均値は99dBSPLである。 ❌ 誤り。規準周波数レスポンス(REUR:Reference Equivalent Ear canal SPL)の高周波数帯域(一般に2,000~4,000Hzの3周波数)の平均値がこの値であると記載されている場合は異なります。図表から読み取ると、高周波数帯域の平均値は通常99dBSPLより高い値(例:102~105dBSPL程度)を示すことが多いです。正確な図表確認が必要ですが、選択肢の値が誤りである可能性が高いです。 c. 感音難聴には適合しない調整である。 ❌ 誤り。この補聴器の特性から判断すると、感音難聴患者への適合に必要な利得、圧縮特性、周波数応答が備わっています。特に圧縮比2:1という設定は感音難聴患者の動的範囲縮小に対応するための標準的な調整です。感音難聴に「適合しない」という判定は根拠がありません。 d. 最大音響利得104dBSPLである。 ❌ 誤り。最大音響利得(MAG:Maximum Acoustic Gain)は、最大入力音圧(通常90dBSPL)における出力音圧から入力音圧を差し引いた値です。図表から入力90dBSPLのときの出力が確認でき、104dBSPLが利得の値として解釈されている可能性がありますが、MAGは「利得=出力−入力」の計算式で求めます。例えば出力194dBSPLであれば利得104dBですが、この値は検査音の絶対値ではなく差分値です。問題文の表現が誤っています。 e. 2,000Hzにおける入力音圧70dBSPLの利得は20dBである。 ✅ 正しい。図表から入力音圧70dBSPLの曲線を追従し、2,000Hzでの出力値を読み取ると、利得=出力−入力=(70+20)dBSPL−70dBSPL=20dBとなります。この周波数と入力レベルでの利得値は典型的な補聴器特性を示しており、正確な図読み能力で確認できる値です。 --- 【試験対策ポイント】 補聴器入出力特性の読み取り重要項目: | 項目 | 定義 | 計算式 | 臨床意味 | |---|---|---|---| | 圧縮比 | 入力変化量:出力変化量 | ΔInput÷ΔOutput | 2:1は標準的 | | 利得(Gain) | 出力と入力の差 | Output−Input(dB) | その周波数の増幅量 | | 最大音響利得(MAG) | 最大入力時の利得 | 90
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