第22回 言語聴覚士国家試験 第22問
臨床神経学第22回
初期アルツハイマー病で血流低下がみられる部位はどれか
a.前部帯状回
b.後部帯状回
c.前部
d.中心前回
e.島
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b.後部帯状回、c.前部頭頂葉
初期アルツハイマー病(AD)では、PET検査やSPECT検査で特徴的な血流低下パターンが認められます。最も早期に、そして顕著に低下するのは後部帯状回と前部頭頂葉(特に楔前葉を含む)です。これらの領域の血流低下はADの診断的価値が高く、認知機能低下と相関します。
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【各選択肢の解説】
a. 前部帯状回
❌ 誤り。初期ADでは相対的に保存されることが多いとされています。むしろ前部帯状回の血流保持はADの特徴の一つで、後部帯状回との低下パターンとの対比(前部相対温存、後部低下)が診断的価値を持ちます。
b. 後部帯状回
✅ 正しい。初期ADで最も早期かつ顕著な血流低下がみられる部位です。後部帯状皮質は記憶・認知機能に関与するデフォルトモードネットワークの中核で、ADで最初に障害される領域として知られています。
c. 前部頭頂葉
✅ 正しい。後部帯状回に次ぐ血流低下領域であり、特に楔前葉での低下が特徴的です。初期ADの診断において「後部帯状回+前部頭頂葉」の低下パターンは病態特異性が高いとされています。
d. 中心前回
❌ 誤り。運動皮質である中心前回は初期ADでは相対的に保存されます。ADの血流低下は一次運動野・一次感覚野を比較的免れる傾向があり、これが他の神経変性疾患との鑑別点になります。
e. 島
❌ 誤り。島皮質の血流低下はADより前側頭葉型認知症(ftPPA等)で顕著です。ADでは島の血流保持の程度が相対的に高く、初期ADの特徴的パターンには含まれません。
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【試験対策ポイント】
| 神経変性疾患 | 血流低下の特徴部位 |
|---|---|
| アルツハイマー病 | 後部帯状回+前部頭頂葉(楔前葉) |
| 前側頭葉型認知症 | 前側頭葉+島皮質+眼窩前頭皮質 |
| レビー小体病 | 後頭葉(視覚認識系) |
| 進行性核上麻痺 | 中脳+大脳皮質(選択的) |
**ADの血流低下パターンの臨床的意義**
- 後部帯状回の低下は初期ADで最も敏感な指標
- 前部帯状回の相対温存は鑑別診断に有用
- PET/SPECTで「後部帯状回低下」が見られれば、臨床症状が軽症でもADの確診に近づく
- MRI萎縮(海馬・内側側頭葉)と異なり、血流低下は「脳活動」の実時間反映であり、認知機能とより相関
**頻出の引っかかりポイント**
- 「前部帯状回も低下する」と混同しやすい → AD初期では後部ほ優位に低下
- 「中心前回も障害される」と勘違いやすい → 一次運動野は保存される傾向
- 「島の低下はADの特徴」と誤認 → 島の低下は前側頭葉型認知症の特徴