第22回 言語聴覚士国家試験 第3問
生理学第22回
内分泌器官とホルモンの組み合わせで誤っているのはどれか。
- 1.視床下部 ― アンギオテンシン ✓
- 2.下垂体前葉 ― プロラクチン
- 3.下垂体後葉 ― オキシトシン
- 4.松果体 ― メラトニン
- 5.副腎髄質 ― カテコラミン
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 視床下部 — アンギオテンシン
アンギオテンシンは視床下部で産生されません。アンギオテンシンは腎臓で産生されるレニンと肝臓で産生されるアンギオテンシノーゲンから生成される物質で、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAAS)の一部です。視床下部は視床下部ホルモン(放出ホルモン・抑制ホルモン)を産生し、下垂体を制御する役割を担っています。
---
【各選択肢の解説】
1. 視床下部 — アンギオテンシン
❌ 誤り。アンギオテンシンは腎臓のレニンと肝臓のアンギオテンシノーゲンの相互作用で産生されるホルモンで、視床下部とは無関係です。視床下部は下垂体ホルモン放出ホルモン(TRH、GnRH、CRHなど)を産生します。
2. 下垂体前葉 — プロラクチン
✅ 正しい。プロラクチンは下垂体前葉から産生される泌乳ホルモンです。産褥期の授乳促進に重要な役割を果たします。
3. 下垂体後葉 — オキシトシン
✅ 正しい。オキシトシンは視床下部で合成され、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。子宮筋収縮と乳腺筋上皮細胞の収縮を促進します。
4. 松果体 — メラトニン
✅ 正しい。松果体から産生されるメラトニンは、サーカディアンリズム(概日リズム)を調節するホルモンです。暗環境で産生が増加します。
5. 副腎髄質 — カテコラミン
✅ 正しい。副腎髄質からはアドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)などのカテコラミンが産生されます。交感神経刺激により放出される緊急ホルモンです。
---
【試験対策ポイント】
内分泌器官と産生ホルモンの整理表:
| 器官 | 産生ホルモン | 機能 |
|---|---|---|
| 視床下部 | 放出ホルモン(TRH、GnRH、CRH等)、抗利尿ホルモン(ADH)、オキシトシン合成 | 下垂体制御・体液調節 |
| 下垂体前葉 | 成長ホルモン、プロラクチン、ACTH、TSH、FSH、LH | 全身代謝・生殖・泌乳制御 |
| 下垂体後葉 | ADH、オキシトシン(分泌のみ) | 体液・子宮筋・乳腺制御 |
| 松果体 | メラトニン | 概日リズム調節 |
| 甲状腺 | T3、T4(サイロキシン) | 基礎代謝亢進 |
| 副甲状腺 | パラソルモン(PTH) | 血中カルシウム上昇 |
| 膵島 | インスリン、グルカゴン | 血糖調節 |
| 副腎皮質 | グルココルチコイド、鉱質コルチコイド | ストレス対応・Na+保持 |
| 副腎髄質 | アドレナリン、ノルアドレナリン | 交感神経応答・エネルギー動員 |
重要な否定知識:
- アンギオテンシン:腎臓由来(視床下部ではない)
- レニン:腎臓で産生
- アルドステロン:副腎皮質から産生(副腎髄質では