第22回 言語聴覚士国家試験 第5問
臨床神経学第22回
誤っている組み合わせはどれか。
- 1.パーキンソン病 ― レビー小体の増加
- 2.アルツハイマー病 ― 老人班の増加
- 3.重症筋無力症 ― 抗アセチルコリン受容体抗体の出現
- 4.ギラン・バレー症候群 ― 髄液の蛋白細胞解離
- 5.デュシェンヌ型筋ジストロフィー ― ジストロフィンの増加 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — デュシェンヌ型筋ジストロフィー ― ジストロフィンの増加
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)はX連鎖劣性遺伝により、ジストロフィン遺伝子が変異・欠損する疾患です。病態の本質はジストロフィン蛋白の「欠損または著減」であり、増加ではなく減少が特徴です。他の4つの組み合わせは全て病態の本質を正確に表現しています。
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【各選択肢の解説】
1. パーキンソン病 ― レビー小体の増加
✅ 正しい。パーキンソン病は中脳黒質のドパミン神経細胞内にレビー小体(α-シヌクレイン蛋白の異常凝集)が蓄積する神経変性疾患です。レビー小体の増加と神経細胞脱落がパーキンソン病の主要な病理所見です。
2. アルツハイマー病 ― 老人班の増加
✅ 正しい。アルツハイマー病の病理学的診断には「老人班(アミロイドβの蓄積)」と「神経原線維変化(タウ蛋白の蓄積)」の2つが必須です。老人班の増加は確実な病理所見であり、アミロイドカスケード仮説の重要な要素です。
3. 重症筋無力症 ― 抗アセチルコリン受容体抗体の出現
✅ 正しい。重症筋無力症(MG)の約80~90%に抗アセチルコリン受容体抗体が検出されます。この抗体により神経筋接合部が破壊され、筋力低下が生じます。抗体陽性がMGの免疫学的診断根拠となります。
4. ギラン・バレー症候群 ― 髄液の蛋白細胞解離
✅ 正しい。ギラン・バレー症候群(GBS)では脳脊髄液のタンパク質が上昇するが、細胞数(特に白血球)は正常範囲を保つ「蛋白細胞解離」を示します。これはGBSの特徴的なCSF所見で診断補助として重要です。
5. デュシェンヌ型筋ジストロフィー ― ジストロフィンの増加
❌ 誤り。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)はX連鎖劣性遺伝し、Xp21遺伝子の変異によりジストロフィン蛋白が欠損またはきわめて著減します。血清CK値は著しく上昇(通常10,000~100,000IU/L以上)しますが、ジストロフィンは「増加」ではなく「減少」が本態です。
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【試験対策ポイント】
神経変性疾患の病理学的診断名~主要蛋白異常
| 疾患 | 蛋白異常 | 所見 |
|---|---|---|
| パーキンソン病 | α-シヌクレイン | レビー小体 |
| アルツハイマー病 | アミロイドβ+タウ | 老人班+神経原線維変化 |
| 前頭側頭葉認知症 | タウ or TDP-43 | ピック小体など |
| ALS | TDP-43 | 神経細胞脱落 |
| 後大脳皮質萎縮 | タウ/TDP-43混在 | 後頭葉萎縮 |
神経筋疾患の「増加vs減少」鑑別
| 疾患 | 検査項目 | 異常方向 |
|---|---|---|
| DMD | ジストロフィン | 減少/欠損 |
| 重症筋