STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第51問

言語聴覚障害総論第22回
正しいのはどれか。 a.言語聴覚療法における訓練形態の基本は個別訓練である。 b.心因性の言語聴覚障害は言語聴覚療法の対象とならない。 c.進行性疾患は言語訓練の適応外である。 d.身体機能の廃用を防ぐために、AACの導入はなるべく遅らせる。 e.幼児期前半までの対象児には、遊びを通じたコミュニケーション活動などの指導を先行させる。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 言語聴覚療法の訓練形態は個別訓練を基本としており、幼児期前半では遊びを通じたコミュニケーション活動が発達段階に適した指導方法です。これら二つが言語聴覚療法の実践原則として正しいため、組み合わせの2番が正答になります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 言語聴覚療法における訓練形態の基本は個別訓練である。 ✅ 正しい。言語聴覚療法は対象者の個別のニーズや障害特性に応じた細かい治療設定が必須であり、個別訓練が基本形態とされています。グループ訓練も補助的に用いられますが、基本は個別です。 b. 心因性の言語聴覚障害は言語聴覚療法の対象とならない。 ❌ 誤り。心因性失声症など心因性の言語聴覚障害も言語聴覚療法の適応対象です。心理的要因が関与していても、コミュニケーション機能の評価と改善は言語聴覚士の重要な職務です。 c. 進行性疾患は言語訓練の適応外である。 ❌ 誤り。ALS・パーキンソン病など進行性疾患であっても、現存機能の維持と生活の質向上を目指した言語訓練は重要な対応です。「進行しているから訓練しない」という判断は不適切です。 d. 身体機能の廃用を防ぐために、AACの導入はなるべく遅らせる。 ❌ 誤り。むしろ逆です。必要に応じて早期からAAC(拡大代替コミュニケーション)を導入することで、コミュニケーション手段の喪失を防ぎ、廃用を予防できます。導入遅延は本人の心理的負担と機能低下を招きます。 e. 幼児期前半までの対象児には、遊びを通じたコミュニケーション活動などの指導を先行させる。 ✅ 正しい。発達段階が低い幼児にとって、遊びは最も自然で効果的な学習方法です。形式的な訓練より、遊びの中でコミュニケーション機能を育成する方が、発達心理学的に適切です。 --- 【試験対策ポイント】 言語聴覚療法の実践原則 | 項目 | 内容 | |---|---| | 訓練形態の基本 | 個別訓練(対象者のニーズに合わせたカスタマイズ) | | 進行性疾患への対応 | 訓練の対象。機能維持・QOL向上が目的 | | 心因性障害への対応 | 言語聴覚療法の適応。心理的支援も含む | | AAC導入時期 | 早期導入が推奨。廃用防止の観点から遅延は不可 | | 幼児期の指導方法 | 遊びを通じたコミュニケーション活動を優先 | 頻出の「誤解しやすい」論点: - 「進行性=訓練しない」:誤り。機能維持が重要 - 「AAC導入=諦め」:誤り。早期導入はコミュニケーション権の保障 - 「心因性=対象外」:誤り。言語聴覚療法の重要な対象
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