STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第52問

言語聴覚障害総論第22回
発声発語器官の評価の必要性が低いのはどれか。
  1. 1.中途失聴 ✓
  2. 2.獲得性吃音
  3. 3.言語発達障害
  4. 4.ブローカ失語
  5. 5.運動障害性構音障害

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 中途失聴 中途失聴は聴覚障害の問題であり、発声発語器官(喉頭・咽頭・口腔・舌など)そのものの機能異常ではありません。聴覚入力の喪失に基づく問題のため、発声発語器官の解剖学的・生理学的評価は診断と治療計画の優先度が低いです。これに対して他の選択肢は、すべて発声発語器官の器質的または機能的障害に直結しており、器官評価が必須です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 中途失聴 ✅ 正しい。評価の必要性が最も低い選択肢です。中途失聴は聴覚器官(蝸牛・聴神経など)の障害であり、発声発語器官そのものは正常です。音声知覚の喪失に伴う音声異常は二次的なもので、発声発語器官の構造・機能評価は診断の優先度が低くなります。 2. 獲得性吃音 ❌ 誤り。吃音は発声発語運動の非流暢性を呈する障害であり、その成因には発声発語器官の神経筋制御、呼吸・共鳴などの器官機能が関与します。特に中枢神経系障害(脳卒中後など)に伴う吃音の場合、発声発語器官の詳細な評価が治療方針決定に不可欠です。 3. 言語発達障害 ❌ 誤り。言語発達障害の原因には、聴覚障害・発達性構音障害など発声発語器官の機能異常が含まれます。音韻習得の遅滞と発声発語器官の異常の関連性を評価するため、器官評価は重要です。 4. ブローカ失語 ❌ 誤り。ブローカ失語に伴う構音障害(努力性嗄声など)は、左前頭葉ブローカ野損傷による運動神経支配の異常に起因します。発声発語器官の詳細な神経学的評価は、損傷の程度と発話機能の予後推定に必要です。 5. 運動障害性構音障害 ❌ 誤り。運動障害性構音障害はMayo分類(痙性・弛緩性・失調性など)で定義され、すべてのタイプが発声発語器官の神経筋機能異常に直結します。器官評価は診断・重症度分類・治療計画の基本となります。 --- 【試験対策ポイント】 | 障害種別 | 主要評価対象 | 発声発語器官評価の優先度 | |---|---|---| | 中途失聴 | 聴覚器官(蝸牛・聴神経) | 低い(器官は正常) | | 獲得性吃音 | 中枢神経系・呼吸制御 | 高い(神経筋制御の評価必須) | | 言語発達障害 | 聴覚・構音・言語中枢 | 高い(音韻習得と器官機能の関連評価) | | ブローカ失語 | 左前頭葉(言語野) | 高い(神経学的構音評価) | | 運動障害性構音障害 | 脳神経・筋肉・小脳など | 最高(診断の根拠) | キーポイント:「発声発語器官の評価の必要性が低い」=器官そのものが正常で、障害の本質が別にある
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