STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第57問

失語症第22回
発語失行でみられないのはどれか。
  1. 1.音の歪み
  2. 2.声質の異常 ✓
  3. 3.抑揚の異常
  4. 4.発話速度の低下
  5. 5.構音動作の探索

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 声質の異常 発語失行は「運動計画の障害」であり、音声生成自体の機能は保たれています。声質異常(嗄声など)は音声障害であり、喉頭機能の問題を示すため発語失行では見られません。一方、音の歪み・抑揚の異常・発話速度低下・構音動作の探索はすべて、音声生成以前の「構音運動の計画・実行」の障害を反映し、発語失行の典型的な症状です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 音の歪み ✅ 正しい。発語失行の典型的な症状です。目標音の構音位置・様式に到達する過程で、音が歪んで産生されます。これはSoderpalm-Cramer効果(反復試行による正答率の上昇)とも関連しています。 2. 声質の異常 ❌ 誤り。これが正答です。声質異常(嗄声・気息性など)は喉頭機能の問題を示し、音声障害の範疇です。発語失行は構音動作の「運動計画」の障害であって、喉頭を含む音声生成機構の機能障害ではありません。 3. 抑揚の異常 ✅ 正しい。発語失行では、構音動作の計画障害に伴い、音響的パターン(フォルマント推移)が乱れるため、抑揚(メロディック・アクセント)の異常が起こります。 4. 発話速度の低下 ✅ 正しい。発語失行患者は構音動作の計画・実行に時間がかかるため、結果として発話速度が低下します。努力的な発話が特徴です。 5. 構音動作の探索 ✅ 正しい。発語失行の最も特徴的な症状の一つです。正しい構音位置・様式に辿り着くまで、口腔器官が試行錯誤的に動きます(trial-and-error的動作)。 --- 【試験対策ポイント】 発語失行と音声障害(喉頭機能障害)の区別 | 項目 | 発語失行 | 音声障害(嗄声など) | |---|---|---| | 障害レベル | 運動計画(中枢) | 音声生成機構(喉頭) | | 音の歪み | あり | なし | | 声質異常 | なし | あり | | 抑揚異常 | あり | 可変的 | | 反復試行での改善 | あり(顕著) | なし | | 自動言語で改善 | あり | なし | 発語失行の5大特徴 1. 音の歪み(distortion) 2. 抑揚の異常 3. 発話速度の低下 4. 構音動作の探索(trial-and-error) 5. 反復試行による改善(Soderpalm-Cramer効果) ●重要な否定知識:声質異常は「音声障害」の範疇であり、発語失行に含まれない
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