第22回 言語聴覚士国家試験 第62問
高次脳機能障害第22回
左右の大脳半球損傷で出現頻度に大きな差がないのはどれか。
- 1.視覚性運動失調 ✓
- 2.半側空間無視
- 3.病態失認
- 4.失語
- 5.失読
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 視覚性運動失調
視覚性運動失調(視覚性運動協調の障害)は、大脳後頭葉の視覚皮質から頭頂葉にかけての広い領域が関係するため、左右の半球損傷での出現頻度に大きな差がありません。これに対して、他の症状は左右の損傷部位によって出現に明らかな偏りがあります。
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【各選択肢の解説】
1. 視覚性運動失調
✅ 正しい。視覚情報の処理と運動制御の統合機能であり、視覚皮質(後頭葉)から頭頂葉・側頭葉にかけての広範な領域が関与するため、左右の半球損傷で出現頻度に大きな差がない。
2. 半側空間無視
❌ 誤り。右頭頂葉・側頭葉・前頭葉損傷で圧倒的に高頻度に出現する(特に右後頭頭頂領域)。左半球損傷での出現は極めて稀。左右で出現頻度に大きな差がある。
3. 病態失認
❌ 誤り。右前頭葉・側頭葉損傷で主として出現し、左半球損傷での出現は少ない。自分の障害を認識できない症状であり、左右で出現部位・頻度が異なる。
4. 失語
❌ 誤り。左優位半球(多くは左半球)の周辺言語野(Broca野・Wernicke野)の損傷で出現する。右半球損傷での失語は極めて稀。左右で圧倒的に出現頻度が異なる。
5. 失読
❌ 誤り。左角回(左半球)の損傷で主として出現する言語機能障害。右半球損傷での失読は少ない。言語優位半球に依存するため、左右で出現頻度に大きな差がある。
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【試験対策ポイント】
大脳半球損傷と高次脳機能障害の出現部位の整理
| 症状 | 損傷部位 | 左右差 |
|---|---|---|
| 失語 | 左Broca野・Wernicke野周辺 | 左に圧倒的に多い |
| 失読 | 左角回 | 左に多い |
| 失書 | 左角回・Broca野 | 左に多い |
| 半側空間無視 | 右後頭頭頂領域 | 右に圧倒的に多い |
| 病態失認 | 右前頭・側頭葉 | 右に多い |
| 視覚性運動失調 | 両側後頭・頭頂葉 | **左右差なし** |
| 相貌失認 | 右紡錘状回 | 右に多い |
**キーワード:左右差があるかないか**
- 失語・失読・失書→言語機能(左優位)→明らかな左右差あり
- 半側空間無視・病態失認→右半球優位症状→明らかな左右差あり
- 視覚性運動失調→**両側後頭葉から頭頂葉の広範な領域**→左右差なし