第22回 言語聴覚士国家試験 第65問
言語発達学第22回
会話の発達に関連性が低いのはどれか。
- 1.語 用
- 2.ターンテーキング
- 3.プレリテラシー ✓
- 4.メタ認知
- 5.心の理論
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — プレリテラシー
プレリテラシーは読み書き能力の前段階となる能力(音韻認識・文字認識など)であり、会話スキルそのものに直結しない発達領域です。一方、他の4つは全て会話の成立に必要な認知的・対人的基盤となります。
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【各選択肢の解説】
1. 語用
✅ 正しい。会話は状況・聞き手・話題に応じた適切な言語選択が必須であり、語用論的能力は会話発達の中核をなします。
2. ターンテーキング
✅ 正しい。相手の発話を待つ・順番に発話する・相手の非言語的合図に応じるなど、ターンテーキングは会話の基本構造です。乳幼児は1歳前からこのスキルを獲得し始めます。
3. プレリテラシー
❌ 誤り(最も関連性が低い)。プレリテラシーは音韻認識や文字への興味など、将来の読み書き能力を支える基盤であり、会話発達とは直接的な関連性に乏しいです。ろう児が会話発達に遅延を示す場合でも、プレリテラシーが原因ではなく、音声言語へのアクセス不足が主原因です。
4. メタ認知
✅ 正しい。自分の思考過程を認識し、相手の理解を監視する能力は、会話を調整・修正するために必須です。説明能力の発達にも不可欠です。
5. 心の理論
✅ 正しい。相手が異なる信念・知識・欲求を持つことを理解する能力は、相手に応じた情報提供や、非言語的理解が必要な会話の成立に欠かせません。4歳前後に急速に発達します。
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【試験対策ポイント】
会話発達に必要な5つの要素の整理:
| 要素 | 会話との関係 | 発達時期の目安 |
|---|---|---|
| 語用 | 中核的・直接的 | 生後6~12ヶ月(初語後加速) |
| ターンテーキング | 中核的・基盤的 | 生後3~6ヶ月(原始的形態) |
| メタ認知 | 直接的・質的向上 | 3~4歳(明示的自覚) |
| 心の理論 | 直接的・聞き手調整に必須 | 4~5歳(完成) |
| プレリテラシー | 間接的・会話とは別領域 | 3~5歳(読み前段階) |
キーワード:
- プレリテラシー=読み書き前の準備的能力(音韻処理・文字への関心)
- 会話発達の必要条件=聞き手認識+社会的シグナル理解+対話的構造理解
- 読み書き発達と口頭言語発達は「並行」するが「駆動関係ではない」
紛らわしい誤答パターン:
プレリテラシーが言語発達全般に重要であることと、会話発達への「直接的」関連性は別問題。この問題は「関連性が低いもの」を選ぶため、全領域の影響度の比較が必須です。