STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第66問

言語発達障害学第22回
自閉症スペクトラム障害を合併する頻度が低いのはどれか。
  1. 1.脆弱X症候群
  2. 2.ダウン症候群
  3. 3.レット症候群
  4. 4.ターナー症候群 ✓
  5. 5.結節性硬化症

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — ターナー症候群 ターナー症候群は女性の遺伝子的な疾患で、身長低下や性的発達障害は顕著ですが、自閉症スペクトラム障害(ASD)の合併頻度は他の遺伝的症候群と比べて著しく低いです。一方、選択肢1~3、5は遺伝的症候群の中でもASD合併頻度が高いことが知られています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 脆弱X症候群 ❌ 誤り。脆弱X症候群はX連鎖優性遺伝疾患であり、自閉症スペクトラム障害の合併頻度が極めて高い(50~80%)とされています。知的障害と行動問題を伴うことが多く、ST関与の頻度も高い重要な遺伝的症候群です。 2. ダウン症候群 ❌ 誤り。ダウン症候群(21トリソミー)でも自閉症スペクトラム障害の合併頻度は相対的に高く、10~15%程度とされています。知的障害を伴い、言語発達の遅延が顕著です。 3. レット症候群 ❌ 誤り。レット症候群は女性限定のX連鎖優性遺伝疾患で、正常な発達を示した後に6~18ヶ月で退行します。自閉症スペクトラム障害の特徴(特に社会的相互作用の障害)を明らかに示し、合併頻度も高いです。実際、診断基準上も初期段階で自閉症様の症状が見られます。 4. ターナー症候群 ✅ 正しい。ターナー症候群(45, X)は女性のみに見られ、身長低下、卵巣機能不全、心血管異常が主な特徴です。自閉症スペクトラム障害の合併頻度は他の遺伝的症候群と比べて明らかに低く、むしろ社会性や言語発達は比較的保たれることが多いです。 5. 結節性硬化症 ❌ 誤り。結節性硬化症は常染色体優性遺伝疾患であり、脳、皮膚、腎臓などに多数の良性腫瘍を形成します。自閉症スペクトラム障害の合併頻度は40~50%と極めて高く、てんかんや知的障害を伴うことが多いです。 --- 【試験対策ポイント】 遺伝的症候群とASD合併頻度の覚え方: | 症候群 | 遺伝パターン | ASD合併頻度 | 主な特徴 | |---|---|---|---| | 脆弱X症候群 | X連鎖優性 | 50~80% | 特に男性で高い。知的障害著明 | | ダウン症候群 | 21トリソミー | 10~15% | 知的障害。比較的社会性あり | | レット症候群 | X連鎖優性 | 高い | 6~18ヶ月後の発達退行 | | ターナー症候群 | 45, X | 低い | 女性のみ。身長低下が特徴 | | 結節性硬化症 | 常染色体優性 | 40~50% | てんかん合併率も高い | キーワード:「ターナー症候群は自閉症とは合併しにくい数少ない遺伝的症候群」と記憶する
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