STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第67問

言語発達学第22回
構文の発達において誤っている組み合わせはどれか。
  1. 1.2語連鎖の出現 ― 1歳後半~2歳後半
  2. 2.語形態変化の出現 ― 2歳代
  3. 3.助詞「が」「は」の出現 ― 2~3歳
  4. 4.名詞+格助詞+動詞の復唱の安定 ― 2歳後半~3歳後半
  5. 5.助詞方略での構文理解 ― 3~4歳 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 助詞方略での構文理解 ― 3~4歳 助詞方略(助詞によって主語・目的語を区別する方法)での構文理解は、実測データでは「2~3歳」に出現するとされています。3~4歳は誤りで、これは他の構文スキルより早期に成立する重要な発達マイルストーンです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 2語連鎖の出現 ― 1歳後半~2歳後半 ✅ 正しい。「ママ、いた」「ワンワン、いた」など、名詞+動詞の2語からなる発話が1歳6~7ヶ月以降に出現し、2歳代で安定します。これは初期の構文学習です。 2. 語形態変化の出現 ― 2歳代 ✅ 正しい。動詞や形容詞の活用が2歳代に開始されます。例えば「いく」→「いった」、「大きい」→「大きくない」など、形態論的な構文知識の端緒となります。 3. 助詞「が」「は」の出現 ― 2~3歳 ✅ 正しい。主格助詞「が」および提題助詞「は」が2~3歳にかけて出現し、子どもは「ママ が いる」といった格標示付き構文を産出し始めます。 4. 名詞+格助詞+動詞の復唱の安定 ― 2歳後半~3歳後半 ✅ 正しい。「ママが 来た」「ワンワンを 見た」などの格付きの3成分構文が、2歳後半から3歳後半にかけて安定的に復唱・産出されるようになります。 5. 助詞方略での構文理解 ― 3~4歳 ❌ 誤り。助詞方略での構文理解は「2~3歳」に開始されます。この時期に子どもは「は」と「を」の助詞から主語と目的語を区別して文の意味を理解し始めます。3~4歳まで待つ必要はありません。 --- 【試験対策ポイント】 | 発達段階 | 構文発達の内容 | 月齢・年齢 | |---|---|---| | 初期 | 2語連鎖(「ママ、いた」) | 1歳6~7ヶ月~ | | 初期 | 形態変化の開始 | 2歳代 | | 格助詞の出現 | 「が」「は」の産出開始 | 2~3歳 | | 格助詞理解 | **助詞方略での構文理解開始** | **2~3歳** ← 試験頻出 | | 格付き構文 | 3成分構文の安定 | 2歳後半~3歳後半 | | 複文 | 従属節の理解・産出 | 4歳以降 | 【重要否定知識】 - 「助詞方略での構文理解」は3~4歳ではなく「2~3歳」である - 5番が誤りの理由は「時期が遅すぎる」こと 【紛らわしい点の区別】 - 「助詞の産出(話すこと)」と「助詞による理解(聞いて分かること)」は時期が近い(ほぼ同時期) - 他の言語領域では理解>産出が一般的だが、格助詞に限っては2~3歳で同時進行する
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