第22回 言語聴覚士国家試験 第70問
言語発達障害学第22回
発達性読み書き障害の評価について誤っているのはどれか。
- 1.RAN課題を用いて音韻意識を評価する。 ✓
- 2.WAVESを用いて視空間認知能力を評価する。
- 3.STRAWを用いて文字の音声符号化の流暢性を評価する。
- 4.WISC-IVを用いて聴覚性記憶を評価する。
- 5.ROCFTを用いて視覚性記憶を評価する。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — RAN課題を用いて音韻意識を評価する。
RAN(Rapid Automatized Naming)課題は「迅速自動命名能力」を評価する検査であり、音韻意識ではなく「音の処理速度」と「命名流暢性」を測定します。音韻意識は文字操作(韻を踏む、音を削除するなど)で評価されるため、RAN課題の目的と異なります。
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【各選択肢の解説】
1. RAN課題を用いて音韻意識を評価する。
❌ 誤り。RAN課題は音韻意識ではなく、色や数字・図形を迅速に命名する速度を測定し、自動化された音韻処理能力と命名流暢性を評価します。音韻意識は音の分割・統合・置換などの操作課題で評価されます。
2. WAVESを用いて視空間認知能力を評価する。
✅ 正しい。WAVES(Wide Range Assessment of Visual-spatial Exploration Skills)は視空間認知と視覚的探索能力を評価する検査です。読み書き障害の背景にある視覚情報処理の特性を把握するのに有用です。
3. STRAWを用いて文字の音声符号化の流暢性を評価する。
✅ 正しい。STRAW(Sound Tracking and Recording in Analysis of Words)は音声符号化の流暢性、特に視覚刺激から音声への符号化速度を評価します。読み書き障害の診断に有用です。
4. WISC-IVを用いて聴覚性記憶を評価する。
✅ 正しい。WISC-IV(ウェクスラー児童知能検査)は複数の認知能力を評価し、聴覚性記憶は「数唱」「語音列挙」など言語記憶指標で測定されます。
5. ROCFTを用いて視覚性記憶を評価する。
✅ 正しい。ROCFT(Rey-Osterrieth Complex Figure Test)は複雑図形の模写と再生によって視覚空間認知と視覚性記憶を評価します。発達性読み書き障害の視覚的情報処理能力把握に用いられます。
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【試験対策ポイント】
発達性読み書き障害の評価検査一覧
| 検査名 | 検査目的 | 測定する能力 |
|---|---|---|
| RAN課題 | 命名流暢性 | 音韻処理速度・自動化 |
| 音韻意識課題 | 音韻操作 | 音の分割・統合・置換能力 |
| WAVES | 視覚処理 | 視空間認知・視覚的探索 |
| STRAW | 音声符号化 | 文字→音への処理速度 |
| WISC-IV | 知能指数 | 聴覚記憶・処理速度・理由推論 |
| ROCFT | 視覚記憶 | 視覚空間認知・記憶再現 |
紛らわしい概念の区別
RAN課題 vs 音韻意識課題
- RAN:「どれだけ速く命名できるか」(流暢性・自動化)
- 音韻意識:「音を操作できるか」(音分割・置換・削除)