第23回 言語聴覚士国家試験 第103問
解剖学第23回
心臓の機能について誤っているのはどれか。
- 1.左心房には動脈血が流入する。
- 2.右冠動脈は洞房結節を支配する。
- 3.プルキンエ線維は交感神経である。 ✓
- 4.P波は心房が脱分極した過程を示す。
- 5.アドレナリンは心拍数を増加させる。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — プルキンエ線維は交感神経である。
プルキンエ線維は心臓の伝導系を構成する特殊心筋で、交感神経ではなく電気的な伝導路です。心室の興奮を素早く伝播させる機能を持ちますが、神経組織ではありません。
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【各選択肢の解説】
1. 左心房には動脈血が流入する。
✅ 正しい。左心房には酸素富化された動脈血が肺静脈4本を通じて流入します。これは心臓内唯一の「動脈血が流入する心腔」です。
2. 右冠動脈は洞房結節を支配する。
✅ 正しい。右冠動脈は全体の約60%の症例で洞房結節動脈を分枝として供給します(左冠動脈由来の場合は約40%)。また右冠動脈は下壁心筋も支配する重要な血管です。
3. プルキンエ線維は交感神経である。
❌ 誤り。プルキンエ線維は神経ではなく、心室内膜直下に存在する特殊心筋線維です。心房心室束などの伝導系の一部であり、電気刺激を素早く伝播させます。交感神経の末端は心房心筋や洞房結節などに分布しますが、プルキンエ線維そのものではありません。
4. P波は心房が脱分極した過程を示す。
✅ 正しい。心電図のP波は両心房の脱分極(興奮)を示す波形です。洞房結節から始まった興奮が心房筋に伝播する約80〜100msecの過程を反映しています。
5. アドレナリンは心拍数を増加させる。
✅ 正しい。アドレナリン(エピネフリン)はβ1受容体を刺激して、洞房結節の自動能を増加させ、心拍数を上昇させます。このため心拍出量と血圧も上昇します。
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【試験対策ポイント】
心臓伝導系の構成(神経ではなく特殊心筋)
- 洞房結節(SA結節)→ 心房内伝導路 → 房室結節(AV結節)→ ヒス束 → 左右脚 → プルキンエ線維
冠動脈の支配領域
| 冠動脈 | 主な支配部位 | 結節支配 |
|---|---|---|
| 左冠動脈前下行枝(LAD) | 心室前壁・中隔 | 房室結節(約90%) |
| 右冠動脈(RCA) | 心室下壁・右房 | 洞房結節(約60%)、房室結節(約10%) |
| 左冠動脈回旋枝 | 左室側壁 | 後下行枝 |
心電図波形と生理学的意味
- P波:心房脱分極
- QRS波:心室脱分極
- T波:心室再分極(これは脱分極ではない)
- PR間隔:心房〜房室結節での伝導時間
紛らわしい知識の区別
- プルキンエ線維=特殊心筋(導電性は高いが、神経ではない)
- 交感神経終末はプルキンエ線維の近くにあるが、線維そのものではない