STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第108問

精神医学第23回
統合失調症について正しいのはどれか。 a.生涯罹患率は約0.85%(0.5~1%)である。 b.発症頻度に性差はない。 c.患者の70~80%は30歳以後に発病する。 d.健常者と比べて長寿である。 e.病因の一つとして中枢のドパミン減少仮説がある。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:1番

解説
# 第23回 第108問 解説 ■ 正答:1番 — a,b 統合失調症の生涯罹患率は約0.85%(0.5~1%)であり、発症頻度に明確な性差はないとされています。男女比はほぼ1:1ですが、発症年齢には性差(男性の方がやや早い)があります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 生涯罹患率は約0.85%(0.5~1%)である。 ✅ 正しい。統合失調症の生涯罹患率は0.5~1%程度とされ、0.85%はこの範囲内の代表値です。人種・地域を問わずほぼ一定の有病率を示します。 b. 発症頻度に性差はない。 ✅ 正しい。統合失調症の生涯発症率は男女でほぼ同等(1:1)とされています。ただし発症年齢には性差があり、男性は10代後半~20代前半、女性は20代後半~30代にピークがあります。「発症頻度」と「発症年齢」を混同しないことが重要です。 c. 患者の70~80%は30歳以後に発病する。 ❌ 誤り。統合失調症の好発年齢は思春期~青年期(15~35歳)で、多くは30歳以前に発症します。40歳以降の発症は遅発性とされ少数派です。 d. 健常者と比べて長寿である。 ❌ 誤り。統合失調症患者は健常者と比べ寿命が10~20年短いと報告されています。原因は自殺率の高さ、生活習慣病合併、抗精神病薬の代謝系副作用などです。 e. 病因の一つとして中枢のドパミン減少仮説がある。 ❌ 誤り。古典的なドパミン仮説は「中脳辺縁系でのドパミン**過剰**」が陽性症状を引き起こすというものです。「減少仮説」という表現は誤りで、抗精神病薬(ドパミンD2受容体遮断薬)が有効であることがこの仮説の根拠です。なお中脳皮質系ではドパミン減少が陰性症状に関与するとされますが、「病因=減少仮説」とまとめるのは不正確です。 --- 【試験対策ポイント】 |項目|統合失調症| |---|---| |生涯罹患率|**0.5~1%(約0.85%)**| |性差(発症頻度)|**なし(1:1)**| |性差(発症年齢)|男性が早い(男:10代後半~20代前半/女:20代後半~30代)| |好発年齢|**思春期~青年期(多くは30歳以前)**| |寿命|健常者より短い(自殺・代謝異常など)| |ドパミン仮説|中脳辺縁系=**過剰**(陽性症状)/中脳皮質系=減少(陰性症状)| **ひっかけ注意**:選択肢eの「ドパミン減少仮説」は誤り。統合失調症の古典的病因仮説は**ドパミン過剰仮説**です。抗精神病薬がD2受容体を遮断して効くことが根拠となっています。「発症頻度に性差なし/発症年齢に性差あり」の区別も頻出です。
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