第23回 言語聴覚士国家試験 第110問
内科学第23回
疾患とリスクとの組み合わせで誤っているのはどれか。
- 1.心筋梗塞 ――― 不整脈
- 2.多発性筋炎 ――― 過負荷
- 3.クモ膜下出血 ――― 水頭症
- 4.多系統萎縮症 ――― 起立性低血圧
- 5.筋萎縮性側索硬化症 ――― 自律神經過反射 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 筋萎縮性側索硬化症 ――― 自律神経過反射
ALS(筋萎縮性側索硬化症)の主要リスク・合併症は「呼吸筋麻痺」「嚥下困難」「構音障害」であり、自律神経過反射(autonoic dysreflexia)はALSの合併症ではありません。自律神経過反射は脊髄損傷患者(特に胸髄以上の損傷)に見られる現象であり、出現背景が全く異なります。
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【各選択肢の解説】
1. 心筋梗塞 ――― 不整脈
✅ 正しい。急性心筋梗塞後は虚血部位の興奮性が亢進し、心室性不整脈(心室細動を含む)が重要なリスク・合併症です。心筋梗塞は不整脈死の主要原因の一つです。
2. 多発性筋炎 ――― 過負荷
✅ 正しい。多発性筋炎は炎症性筋疾患で、筋力低下を特徴とします。患部筋への過負荷は筋損傷を増悪させ、リハビリテーションでも過負荷を避ける必要があります。
3. クモ膜下出血 ――― 水頭症
✅ 正しい。クモ膜下出血後の主要合併症として水頭症が挙げられます。血液による脳脊髄液の流通障害、脈絡叢の機能低下により発症し、シャント術の適応となることもあります。
4. 多系統萎縮症 ――― 起立性低血圧
✅ 正しい。多系統萎縮症(MSA)は自律神経系の病変を含むため、起立性低血圧は代表的な合併症です。患者のQOL低下の重要な要因となります。
5. 筋萎縮性側索硬化症 ――― 自律神経過反射
❌ 誤り。自律神経過反射は脊髄損傷患者に特有の現象であり、ALS患者には生じません。ALSでは自律神経系は比較的保たれており、主な問題は運動神経の脱落です。
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【試験対策ポイント】
各疾患の代表的リスク・合併症の早期認識:
| 疾患 | 主要合併症・リスク | 機序 |
|---|---|---|
| 心筋梗塞 | 不整脈、心破裂、心筋梗塞後症候群 | 虚血部の興奮性亢進、梗塞部の脆弱化 |
| 多発性筋炎 | 呼吸筋麻痺、嚥下困難、過負荷による増悪 | 炎症による筋力低下 |
| クモ膜下出血 | 水頭症、再出血、脳血管攣縮 | CSF流通障害、反復的な出血 |
| 多系統萎縮症 | 起立性低血圧、排尿障害、呼吸障害 | 自律神経系の萎縮・脱落 |
| ALS | 呼吸筋麻痺、嚥下困難、構音障害 | 運動神経細胞の進行性脱落 |
紛らわしい疾患との区別:
- 脊髄損傷(自律神経過反射あり) vs ALS(自律神経過反射なし)
- 多系統萎縮症の「自律神経症状」と ALS の「自律神経症状の欠如」