STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第111問

呼吸系第23回
機能性閉鼻声を呈するのはどれか。
  1. 1.上咽頭癌
  2. 2.偽(仮)性球麻痺
  3. 3.耳管開放症 ✓
  4. 4.重症筋無力症
  5. 5.アデノイド増殖症

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 耳管開放症 耳管開放症は耳管が常に開いた状態で、鼻腔が異常に開放されるため、本来は鼻咽腔を通じて逃げるべき呼気が耳に向かって流出し、結果として機能的に鼻腔が開いているのと同じ状態になります。これにより鼻音化が生じて閉鼻声を呈します。他の選択肢は器質的な鼻咽腔閉鎖不全または神経筋障害であり、機能的閉鼻声の原因ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 上咽頭癌 ❌ 誤り。上咽頭癌は腫瘍が鼻咽腔を物理的に閉塞することで開鼻声(器質的原因)を呈します。機能的障害ではなく、解剖学的な構造異常です。 2. 偽性球麻痺 ❌ 誤り。偽性球麻痺は両側の錐体路障害により軟口蓋挙上機能が低下し、鼻咽腔を適切に閉鎖できず開鼻声を呈します。これは神経学的な原因による開鼻声であり、機能的閉鼻声ではありません。 3. 耳管開放症 ✅ 正しい。耳管(中耳と咽頭を結ぶ管)が常時開いた状態にあり、呼気が耳に向かって漏出します。器質的異常はないが、機能的に鼻腔が開いているのと同じ状態となり、閉鼻声を呈します。これが「機能性閉鼻声」の定義と一致します。 4. 重症筋無力症 ❌ 誤り。重症筋無力症は夕方の疲労により軟口蓋挙上筋が低下して開鼻声を呈します。神経筋接合部障害による開鼻声であり、機能的閉鼻声ではありません。 5. アデノイド増殖症 ❌ 誤り。アデノイドの増殖が鼻咽腔を物理的に狭窄・閉塞することで開鼻声を呈します。器質的な障害であり、機能的閉鼻声ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 閉鼻声と開鼻声の整理 | 音声障害 | 原因タイプ | 原因疾患の例 | メカニズム | |---|---|---|---| | 開鼻声 | 器質的 | 上咽頭癌、口蓋裂、アデノイド増殖症 | 鼻咽腔が閉塞→呼気が漏れる | | 開鼻声 | 神経学的 | 偽性球麻痺、重症筋無力症 | 軟口蓋挙上筋が機能低下 | | 閉鼻声 | 機能的 | 耳管開放症 | 耳に向かう異常な気流 | | 閉鼻声 | 器質的 | 鼻ポリープ、鼻中隔湾曲 | 鼻腔そのものが閉塞 | キーワード - 機能性閉鼻声:「器質的異常がない」が前提条件 - 耳管開放症:呼気の異常逃出路→耳方向への気流 - 開鼻声:鼻咽腔閉鎖不全(逆の方向への気流異常) 頻出の紛らわしい点 - 「閉鼻声」と「開鼻声」は対極だが、原因は全く異なる - 耳管開放症は難病で試験頻出だが、医学部でも学習が浅くなりやすい - 「機能的」vs「器質的」の区別が解答
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