STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第113問

臨床神経学第23回
構音障害の原因とならない疾患はどれか。
  1. 1.脳出血
  2. 2.多発筋炎
  3. 3.重症筋無力症
  4. 4.パーキンソン病
  5. 5.糖尿病性ニューロパチー ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 糖尿病性ニューロパチー 糖尿病性ニューロパチーは末梢神経障害であり、構音に必要な脳・脳神経・筋の中枢統合機能に影響を与えないため、構音障害の原因にはなりません。一方、1〜4は脳・脳神経・筋のいずれかの機能障害により構音障害を引き起こします。 --- 【各選択肢の解説】 1. 脳出血 ✅ 構音障害の原因となります。脳幹や大脳の言語・運動領域の損傷により、痙性構音障害(錐体路障害)や運動低下性構音障害が生じます。 2. 多発筋炎 ✅ 構音障害の原因となります。構音関連筋(舌・口唇・咽頭筋)の炎症による弛緩性麻痺により、開鼻声や気息性嗄声などの弛緩性構音障害が出現します。 3. 重症筋無力症 ✅ 構音障害の原因となります。神経筋接合部の障害により構音筋の疲労が生じ、特に夕方に進行する運動低下性構音障害(反復運動で悪化)が特徴的です。 4. パーキンソン病 ✅ 構音障害の原因となります。黒質ドパミン神経の変性による錐体外路障害により、単調で加速現象を伴う運動低下性構音障害が生じます。 5. 糖尿病性ニューロパチー ❌ 構音障害の原因とはなりません。末梢神経(とくに下肢の長い神経)の変性による末梢神経障害であり、構音に必要な脳・脳神経・筋の機能には直接影響しません。 --- 【試験対策ポイント】 構音障害の原因となる3つの部位(脳・脳神経・筋) | 障害部位 | 疾患例 | 構音障害の特徴 | |---|---|---| | 脳(中枢) | 脳出血・脳梗塞 | 痙性構音障害(努力性嗄声) | | 脳幹・脳神経 | 球麻痺・顔面神経麻痺 | 弛緩性構音障害(開鼻声・気息性嗄声) | | 筋 | 重症筋無力症・多発筋炎 | 弛緩性またはその混合型 | | 錐体外路 | パーキンソン病・緊張亢進症 | 運動低下性構音障害(単調) | 構音障害「の原因にならない」疾患の判定法 →「脳」「脳神経」「筋」「神経筋接合部」のいずれに障害をもたらすか確認 →末梢神経単独障害(ニューロパチー)は該当なし →糖尿病性ニューロパチー:足先のしびれなど末梢症状が主体 キーワード:「脳・脳神経・筋」の障害が必須条件
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