STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第127問

心理測定法第23回
正しいのはどれか。 a.絶対閾値は、感知確率が100%になる刺激量によって定められる。 b.相対閾値は、絶対閾値と刺激頂の値との比によって算出される。 c.ウェーバー比が一定であることは、弁別閾値が刺激量に比例することを意味する。 d.べき指数が1であるとき、感覚量の増分は刺激量の増分に比例する。 e.等感曲線は一般的に、横軸を刺激属性の値、縦軸を感覚量とするグラフ平面に描かれる。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — c,d 心理測定法における閾値理論と感覚測定の原理を問う問題です。感覚心理学の基本法則(ウェーバー則・スティーヴンス則)と等感曲線の定義を正確に理解することが重要です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 絶対閾値は、感知確率が100%になる刺激量によって定められる。 ❌ 誤り。絶対閾値は感知確率が50%(統計的には50~75%)になる刺激量によって定義されます。実験的に100%の感知を確認することは困難であり、心理物理学的には確率50%を基準とします。 b. 相対閾値は、絶対閾値と刺激頂の値との比によって算出される。 ❌ 誤り。相対閾値(ウェーバー閾値)は、標準刺激と比較刺激との「差の最小値」であり、単純な比で算出されません。ウェーバー則では ΔI/I = K(一定)で表現され、「変化量と基準刺激量の比」が一定値になることを示しています。 c. ウェーバー比が一定であることは、弁別閾値が刺激量に比例することを意味する。 ✅ 正しい。ウェーバー則の核心です。ウェーバー比(ΔI/I = K)が一定であれば、ΔI = K × I となり、弁別閾値(ΔI)は刺激量(I)に正比例します。例えば、1kgの錘では50g、10kgの錘では500gの違いが弁別可能となります。 d. べき指数が1であるとき、感覚量の増分は刺激量の増分に比例する。 ✅ 正しい。スティーヴンス則 S = a × I^n で、べき指数 n = 1 であれば、S ∝ I(線形関係)となります。つまり感覚量(S)の増分は刺激量(I)の増分に正比例し、ウェーバー則も同時に満たします。 e. 等感曲線は一般的に、横軸を刺激属性の値、縦軸を感覚量とするグラフ平面に描かれる。 ❌ 誤り。等感曲線(特に音響測定の等ラウドネス曲線)は、横軸に「周波数」、縦軸に「音圧レベル(dB)」を取り、同じ感覚量(ラウドネス)を示す点を結んだ曲線です。「感覚量を縦軸」にすることはなく、むしろ異なる物理量組み合わせで等感覚の条件を表現します。 --- 【試験対策ポイント】 感覚心理学の3つの法則の区別: | 法則 | 式 | 意味 | 適用領域 | |---|---|---|---| | ウェーバー則 | ΔI/I = K(一定) | 弁別閾値は基準刺激に比例 | 中程度の刺激強度 | | フェヒナー則 | S = a log(I/I₀) | 感覚は刺激の対数に比例 | 狭い範囲 | | スティーヴンス則 | S = a × I^n | 感覚はべき関数で増加 | 広い刺激範囲 | べき指数 n の値による解釈: - n < 1:圧縮型(電撃強度など)→刺激増加に対し感覚増加が鈍化 - n = 1:線形(長さの知覚など)→刺激と感覚が比例 - n > 1:拡張型(明るさなど)→刺激増加に対し感覚増加が加速 等感曲線の実例: - 聴覚:等ラウドネス曲線(横軸:周波数Hz
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