第23回 言語聴覚士国家試験 第128問
心理測定法第23回
記述統計について正しいのはどれか。
a.中央値は分布を二等分する値のことである。
b.測定値の算術平均値を求めることによって、測定誤差が相殺されることを期待できる。
c.偏差値得点は、得点と平均値との差分のことである。
d.標準偏差は分散の二乗に等しい。
e.相関係数は散布度の指標の一つである。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
記述統計の基本概念を理解する問題です。中央値の定義と測定誤差の相殺は統計学の基礎知識であり、正答となります。
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【各選択肢の解説】
a. 中央値は分布を二等分する値のことである。
✅ 正しい。中央値(メディアン)は、データを大きさの順に並べたときに中央に位置する値で、分布を50%ずつに二等分します。平均値と異なり、外れ値の影響を受けにくい特徴があります。
b. 測定値の算術平均値を求めることによって、測定誤差が相殺されることを期待できる。
✅ 正しい。複数回の測定から平均値を求めると、ランダムな測定誤差がプラス・マイナスに分散しているため、相互に相殺される効果が期待できます。この原理は心理測定の信頼性向上の基礎となります。
c. 偏差値得点は、得点と平均値との差分のことである。
❌ 誤り。得点と平均値の差分は「偏差」です。偏差値得点は、標準化された指標で、平均値50、標準偏差10となるように変換されたもので、計算式は「(得点-平均値)/標準偏差×10+50」です。
d. 標準偏差は分散の二乗に等しい。
❌ 誤り。関係は逆です。標準偏差は分散の平方根であり、分散は標準偏差の二乗に等しいのです(分散=標準偏差²)。この混同は受験生の頻出ミスです。
e. 相関係数は散布度の指標の一つである。
❌ 誤り。相関係数は2つの変数間の関連の強さと方向を示す指標であり、散布度(ばらつき)の指標ではありません。散布度の指標は標準偏差・分散・範囲などです。相関係数は「関連性の指標」に分類されます。
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【試験対策ポイント】
記述統計の主要概念の整理
| 概念 | 定義 | 特徴 |
|---|---|---|
| 中央値 | 分布を二等分する値 | 外れ値に強い |
| 平均値 | 全データの合計を個数で割った値 | 外れ値の影響を受ける |
| 偏差 | 得点-平均値 | 合計は常に0 |
| 偏差値 | (偏差/標準偏差)×10+50 | 平均50、SD10に標準化 |
| 分散 | 偏差²の平均 | 標準偏差の二乗 |
| 標準偏差 | 分散の平方根 | ばらつきの程度を示す |
重要な区別点
- 散布度の指標:標準偏差・分散・範囲・四分位範囲
- 関連性の指標:相関係数・共分散
- 相関係数は「-1~+1」の範囲に標準化された関連性指標
頻出ミス
- c選択肢:「偏差」と「偏差値」の混同(受験生の典型的誤り)
- d選択肢:標準偏差と分散の関係の逆転理解
- e選択肢:相関係数を散布度と誤認(カテゴリー混同)