第23回 言語聴覚士国家試験 第14問
臨床神経学第23回
心原性脳塞栓症の塞栓限で最も多いのはどれか。
- 1.心筋症
- 2.心筋梗塞
- 3.心房細動 ✓
- 4.心臟腫瘍
- 5.卵円孔開存
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 心房細動
心房細動は、心房の不規則な収縮により血液が停滞して血栓が形成されやすくなります。この血栓が脳血管に流入(塞栓)して脳梗塞を引き起こす「心原性脳塞栓症」の塞栓源としては最も頻度が高く、臨床的に最も重要な原因となります。
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【各選択肢の解説】
1. 心筋症
❌ 誤り。心筋症は心筋の病的肥厚や拡張により血液送出能が低下する疾患ですが、心房細動ほどの頻度で塞栓を形成しません。拡張型心筋症では血栓形成のリスクがありますが、全心原性脳塞栓症の中では3番より頻度が低いです。
2. 心筋梗塞
❌ 誤り。急性心筋梗塞後は心室壁の運動低下により血液停滞が起こり血栓形成のリスクがありますが、慢性期ではこのリスクは減少します。また、発症頻度としては心房細動より低いです。
3. 心房細動
✅ 正しい。心房細動により心房の協調性のある収縮が失われて血液流が停滞し、左心耳内で血栓が形成されやすくなります。この血栓が脳血管を塞栓するのが心原性脳塞栓症です。全心原性脳塞栓症の約40〜50%は心房細動に起因するとされており、最頻出の原因です。
4. 心臓腫瘍
❌ 誤り。左房粘液腫など心臓腫瘍は脳塞栓症の原因となり得ますが、発症頻度は極めて稀です。臨床的には診断される機会がごく限定的です。
5. 卵円孔開存
❌ 誤り。卵円孔開存は奇異性塞栓症の原因となり得ますが、心房細動のような直接的な血栓形成機序ではなく、静脈血中の塞栓が右左シャントを通じて脳血管に迂回する機序です。また、臨床的な頻度は低いです。
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【試験対策ポイント】
心原性脳塞栓症の主な塞栓源と頻度:
| 塞栓源 | 頻度 | 血栓形成機序 |
|---|---|---|
| 心房細動 | 最高(40〜50%) | 心房内血液停滞→左心耳血栓 |
| 急性心筋梗塞 | 高 | 心室壁運動低下→壁在血栓 |
| 拡張型心筋症 | 中程度 | 心室拡張→血液停滞 |
| 心臓弁膜症 | 中程度 | 弁の機能不全 |
| 心臓腫瘍 | 極稀 | 腫瘍表面の血栓 |
| 卵円孔開存 | 稀 | 奇異性塞栓(奇異的機序) |
キーポイント:
- 心房細動は不整脈の中で最も脳塞栓症のリスクが高い
- 「左心耳」が血栓形成の主な部位
- 卵円孔開存は「右左シャント」による奇異性塞栓で、直接血栓を形成しない