STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第15問

臨床神経学第23回
認知症の原因とならないのはどれか。
  1. 1.肝不全
  2. 2.正常圧水頭症
  3. 3.重症筋無力症 ✓
  4. 4.パーキンソン病
  5. 5.慢性硬膜下血腫

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 重症筋無力症 重症筋無力症は、神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体により生じる筋力低下を主とする疾患であり、認知機能障害を直接的な臨床症状とはしません。一方、他の4つの選択肢はいずれも認知症の原因となる疾患です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 肝不全 ❌ 誤り。肝不全は肝性脳症を引き起こし、意識障害や認知機能障害を呈します。可逆的認知症の代表的原因です。 2. 正常圧水頭症 ❌ 誤り。認知症の原因疾患として重要です。歩行障害(磁石歩行)、尿失禁、認知機能低下の3徴(NPH三徴)が特徴で、脳脊髄液シャント手術により改善する可能性があります。 3. 重症筋無力症 ✅ 正しい。この疾患の主症状は眼瞼下垂や四肢筋力低下などの神経筋接合部障害であり、認知機能は通常保持されます。認知症の原因にはなりません。 4. パーキンソン病 ❌ 誤り。パーキンソン病関連痴呆(PDD)として認知症を発症する患者が少なくありません。レビー小体型認知症との関連も深いです。 5. 慢性硬膜下血腫 ❌ 誤り。慢性硬膜下血腫は頭部外傷後に発生し、認知機能低下、人格変化、意識障害を呈し、認知症の原因となります。手術による治療が有効です。 --- 【試験対策ポイント】 認知症の原因疾患(重要分類) | 分類 | 代表疾患 | |---|---| | 神経変性疾患 | アルツハイマー病、パーキンソン病、レビー小体型、前頭側頭型 | | 脳血管障害 | 脳血管性認知症、慢性硬膜下血腫 | | 代謝性疾患 | 肝不全、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏 | | 水頭症 | 正常圧水頭症 | | 感染症 | 神経梅毒、HIV脳症 | 重症筋無力症の臨床的特徴: - 主症状:眼瞼下垂、複視、球麻痺、四肢筋力低下 - 反復運動で症状増悪(易疲労性) - 認知機能は保持される(重要な否定知識) - 治療:アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、免疫抑制療法 紛らわしい疾患の区別ポイント: - 正常圧水頭症:可逆的認知症の代表、歩行障害+尿失禁+認知機能低下=NPH三徴 - パーキンソン病:運動症状が主だが、進行とともに認知機能低下がある - 慢性硬膜下血腫:頭部外傷の既往が線索、頭部MRIで診断可能
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