STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第151問

小児聴覚障害第23回
解読に要する感覚モダリティ(様相)が他と異なるのはどれか。
  1. 1.手書き文字(手のひら書き)
  2. 2.指文字触読
  3. 3.指点字
  4. 4.空書 ✓
  5. 5.点字

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 空書 空書は「視覚」を用いた認識であり、他の4選択肢は全て「触覚」を用いた認識です。この問題は、視覚聴覚二重障害者が利用するコミュニケーション手段における感覚モダリティの違いを問うています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 手書き文字(手のひら書き) ✅ 正しい。ただし「触覚」を用いています。相手の手のひらに指で文字を書いて伝えるため、受け手は触覚で文字形を認識します。視覚聴覚二重障害者への主要なコミュニケーション手段の一つです。 2. 指文字触読 ✅ 正しい。「触覚」を用いています。相手が指文字を示す際に、二重障害者がその手指の形・動きに触って読み取ります。日本語の音韻体系を手指で表現したシステムです。 3. 指点字 ✅ 正しい。「触覚」を用いています。相手の手のひらに点字パターンを指の組み合わせで示し、受け手が触覚で認識します。点字の一種で、視覚を使わない表記法です。 4. 空書 ❌ 誤り(正確には「他と異なる」)。「視覚」を用いています。相手が空間に大きく文字を書き、二重障害者がそれを視覚で読み取ります。この選択肢のみが視覚モダリティに依存しており、他の4つの触覚モダリティと異なります。 5. 点字 ✅ 正しい。「触覚」を用いています。隆起した点の組み合わせを指の腹で触って読む、視覚障害者向けの標準的な読み書き文字です。視覚聴覚二重障害者も同様に触覚で読みます。 --- 【試験対策ポイント】 視覚聴覚二重障害者のコミュニケーション手段と使用感覚 | 手段 | 使用感覚 | 特徴 | |---|---|---| | 手のひら書き | 触覚 | 最も基本的。相手の手のひらに指で直接書く | | 指文字触読 | 触覚 | 指文字を手に取って感じながら読む | | 指点字 | 触覚 | 相手の手指で点字パターンを表現 | | 点字 | 触覚 | 紙面の隆起点を触覚で読む(最も正確) | | 空書 | 視覚 | 空間に大きく文字を描く(視力が残っている場合のみ) | 重要:空書が成立するには「ある程度の視力が残存している」必要があります。したがって、完全な視覚聴覚二重障害者では利用困難であり、他の手段よりも限定的です。 視覚聴覚二重障害の基本知識 - Helen Kellerが著名例(麻疹による失明・失聴) - コミュニケーション手段は「触覚」を中心に構成される - 感覚モダリティの種類:視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚 - この問題では「モダリティが異なる = 感覚の種類が異なる」ことを識別させている
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