STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第154問

失語症第23回
失語症の症状でないのはどれか。
  1. 1.語間代 ✓
  2. 2.失書
  3. 3.失読
  4. 4.失文法
  5. 5.新造語

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 語間代 語間代は失語症の症状ではなく、吃音(きつおん)の特徴的な症状です。失語症は大脳言語領域の損傷による言語機能全般の障害であり、吃音は流暢性障害で神経基盤が異なります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 語間代 ❌ 誤り。語間代は吃音の症状であり、失語症の症状ではありません。吃音は発話の流暢性障害で、反復・延長・ブロックなどを伴い、神経言語学的基盤が失語症とは異なります。失語症は理解・表出・復唱など言語機能全般の障害です。 2. 失書 ✅ 正しい。失書は失語症の典型的な症状で、書字表現能力の障害です。Broca失語では非流暢な書字、Wernicke失語では流暢だが内容のない書字が見られます。聴覚的理解より書字表現の方が障害される傾向があります。 3. 失読 ✅ 正しい。失読は失語症の典型的な症状で、読字理解能力の障害です。音韻性失読(音読の障害)や表層性失読(意味理解の障害)など、脳損傷部位により様態が異なります。 4. 失文法 ✅ 正しい。失文法(文法形態素の障害)は失語症の症状で、特にBroca失語で顕著です。助詞・助動詞の脱落、動詞の活用形の誤用が見られ、「電車で駅に着いた」が「電車…駅…着く」のように内容語のみとなります。 5. 新造語 ✅ 正しい。新造語(neologism)は失語症の症状で、特にWernicke失語で多く見られます。「机」を「つくえっこ」というような造語、または音韻的に歪んだ語が出現する症状です。 --- 【試験対策ポイント】 失語症 vs 吃音の区別 | 項目 | 失語症 | 吃音 | |---|---|---| | 神経基盤 | 大脳言語中枢損傷(脳卒中等) | 流暢性制御中枢の機能障害 | | 理解 | 障害される(タイプによる) | 正常 | | 症状 | 失語・失書・失読 | 反復・延長・ブロック・語間代 | | 発症年齢 | 成人(脳卒中) | 小児期(発達性) | | 予後 | 改善可能だが残存することが多い | 自然寛解する傾向 | 失語症の5大症状(必ず区別する) - 失語(言語表現・理解障害):言語そのものの障害 - 失書:文字表現の障害 - 失読:文字理解の障害 - 失算:計算能力の障害 - 失認:物体や人物の認識障害 頻出陰性選択肢パターン このタイプの問題は「失語症の症状でないものを選べ」という形式で、吃音症状(反復・ブロック・語間代など)が混入されることが多いです。失語症は「言語機能そのものの障害」であり、流暢性そのものの障害(吃音)とは区別する必要があります。
関連

▶ 第23回 全問一覧

▶ 失語症 の過去問一覧