STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第160問

失語症第23回
流暢性失語でみられないのはどれか。 a.錯語 b.喚語困難 c.ぎこちない発音 d.発話の長さの短縮 e.文法的複雑さの制限 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — c.ぎこちない発音、d.発話の長さの短縮、e.文法的複雑さの制限 流暢性失語(Wernicke失語など)では、**発話は多量かつ滑らか**であるのが特徴です。音韻体系が保持されているため「ぎこちない発音」は見られず、発話の短縮や文法的簡潔化(非流暢失語の特徴)も現れません。一方、理解障害と復唱障害があるため、錯語や喚語困難は顕著に出現します。 --- 【各選択肢の解説】 a. 錯語 ✅ 流暢性失語に見られます。Wernicke失語では理解障害があるため、自分の発話の誤りに気づかず、関連のない言葉が出現する関連性錯語が多くなります。 b. 喚語困難 ✅ 流暢性失語に見られます。全失語を除くほぼすべての失語症タイプに見られ、流暢性失語でも特に名詞の喚起が困難になります。 c. ぎこちない発音 ❌ 流暢性失語には見られません。音韻体系は保持されているため、発音は流暢で明瞭です。この特徴は非流暢失語(Broca失語)に見られます。 d. 発話の長さの短縮 ❌ 流暢性失語には見られません。むしろ発話は多量で長く、ときに多弁になります。短縮発話は非流暢失語の特徴です。 e. 文法的複雑さの制限 ❌ 流暢性失語には見られません。複雑な文法構造の制限は非流暢失語(Broca失語)に典型的です。流暢性失語では文の長さは保たれています。 --- 【試験対策ポイント】 流暢性 vs 非流暢性失語の鑑別表 | 特徴 | 流暢性失語(Wernicke) | 非流暢失語(Broca) | |---|---|---| | **発話量** | 多い | 少ない | | **発話速度** | 正常~速い | 遅い | | **発音** | 明瞭 | ぎこちない(努力的) | | **文法** | 比較的保持 | 簡潔化(機能語脱落) | | **発話の長さ** | 長い | 短い | | **理解** | 不良 | 良好 | | **復唱** | 不良 | 不良 | | **錯語** | 多い(自覚なし) | 少ない(自覚あり) | 頻出の負の知識: ・流暢性失語で「努力的・ぎこちない発音」は出現しない ・流暢性失語で「発話短縮」は出現しない ・流暢性失語で「文法の簡潔化」は出現しない
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