STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第162問

高次脳機能障害第23回
誤っている組合せはどれか。
  1. 1.遂行機能障害 ――― 環境調整
  2. 2.観念性失行 ――― 道具の使用訓練
  3. 3.記憶障害 ――― 代償手段の活用
  4. 4.半側空間無視 ――― 視覚的探索訓練
  5. 5.純粋語聾 ――― 読解訓練 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 純粋語聾 ――― 読解訓練 純粋語聾は聴覚入力の障害であり、読解能力は相対的に保持されているため、読解訓練は最適な介入ではありません。純粋語聾に対しては聴覚的入力を迂回する「視覚的代償手段(文字・唇読み)」が有効です。他の4つは高次脳機能障害に対する適切な訓練・支援方法です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 遂行機能障害 ――― 環境調整 ✅ 正しい。遂行機能障害は計画立案・組織化・問題解決が困難なため、環境調整(外的キュー・スケジュール管理・段階的課題提示)により支援することが第一選択となります。 2. 観念性失行 ――― 道具の使用訓練 ✅ 正しい。観念性失行は道具の使用概念喪失が特徴であり、実際に道具を使用する具体的な訓練を繰り返すことで改善が見込まれます。文脈的学習が有効です。 3. 記憶障害 ――― 代償手段の活用 ✅ 正しい。記憶障害に対しては記憶の根本的回復は困難なため、メモ・スケジュール帳・ICT機器などの代償手段が標準的な対応です。外的記憶補助が有効性に優れています。 4. 半側空間無視 ――― 視覚的探索訓練 ✅ 正しい。半側空間無視に対して視覚的探索訓練(左側への意識的な視線誘導・スキャニング訓練)は有効な方法であり、環境調整と組み合わせて実施されます。 5. 純粋語聾 ――― 読解訓練 ❌ 誤り。純粋語聾は聴覚皮質への入力経路遮断により「音声言語は理解できないが読解は保持」されています。読解訓練は不要であり、むしろ「文字提示・唇読み・視覚的代償」により聴覚入力を迂回することが適切です。 --- 【試験対策ポイント】 純粋語聾(Pure Word Deafness)の特徴 | 特徴 | 所見 | |---|---| | 聴力 | 正常(聴力検査正常) | | 音声言語理解 | 著しく障害 | | 読む | 正常 | | 書く | 正常 | | 話す | 正常または軽度障害 | | 復唱 | 著しく不良 | 純粋語聾と他の失語症との鑑別ポイント 純粋語聾 vs Wernicke失語 - 純粋語聾:読解は正常、話す能力正常 - Wernicke:読解も不良、話す内容も流暢だが意味不明 純粋語聾 vs 伝導失語 - 伝導失語は復唱不良だが「音の認識」は比較的保持 - 純粋語聾は「音声言語そのもの」を理解できない 高次脳機能障害への介入の原則 - 遂行機能障害→外的記憶補助・構造化・スケジュール管理 - 観念失行→実践的訓練・文脈的学習 - 記憶障害→代償手段(メモ・リマインダー・外部メモリ機器) - 半側空間無視→視覚的探索訓練・環境調整・代償戦略 - 純粋語聾→文字表示・唇読み・ジェスチャー(聴覚迂回) 「読解訓練は不要」という言葉の落とし穴 読解能力が保持されている場合、読解訓練を追加する臨床的利益がありません。むし
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