STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第166問

言語発達障害学第23回
DSM-5の注意欠如・多動性障害における不注意症状はどれか。
  1. 1.着席中にそわそわした動きをする。
  2. 2.しゃべりすぎる。
  3. 3.順番待ちが苦手である。
  4. 4.課題や活動に必要なものをなくしてしまう。 ✓
  5. 5.静かに余暇を過ごすことができない。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 課題や活動に必要なものをなくしてしまう。 DSM-5における注意欠如・多動性障害(ADHD)の診断基準は、「不注意症状」と「多動性・衝動性症状」の2つのカテゴリーに分かれています。選択肢4は不注意の直接的な現れである「物を失くしやすさ」を示しており、これはDSM-5の不注意症状の典型例です。一方、選択肢1・2・3・5は多動性または衝動性に分類される症状です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 着席中にそわそわした動きをする。 ❌ 誤り。これは多動性症状に該当します。座っているときの落ち着きのなさ、そわそわした動きは、多動性・衝動性カテゴリーの「絶えず動く、そわそわしている」という基準に該当するため、不注意ではなく多動性です。 2. しゃべりすぎる。 ❌ 誤り。これは衝動性症状に該当します。話し過ぎは衝動的な言語出力であり、多動性・衝動性カテゴリーの「しゃべりすぎる」という基準に該当するため、不注意症状ではありません。 3. 順番待ちが苦手である。 ❌ 誤り。これは衝動性症状に該当します。順番待ちができないことは「衝動的に割り込む」という衝動性の表れであり、不注意とは異なる多動性・衝動性カテゴリーの問題です。 4. 課題や活動に必要なものをなくしてしまう。 ✅ 正しい。これは典型的な不注意症状です。DSM-5の不注意症状の診断基準には「課題や活動に必要なもの(おもちゃ、学課用品、鉛筆、本など)をなくしやすい」という項目が明記されており、物を失くす傾向は注意散漫・不注意の直接的な表れです。 5. 静かに余暇を過ごすことができない。 ❌ 誤り。これは多動性症状に該当します。落ち着いて静かに活動することができない、常に動いていることは多動性を示す症状であり、不注意ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 ADHD診断基準の2大カテゴリー分類 | 不注意症状(最低6項目以上必要) | 多動性・衝動性症状(最低6項目以上必要) | |---|---| | 細部への注意が欠ける | 着席中にそわそわ・動く | | 注意を持続できない | 席を立つ・走り回る | | 話を聞いていない | しゃべりすぎる | | 指示が完了できない | 割り込む・順番待ちができない | | 物を失くしやすい | 衝動的に行動する | | 気が散りやすい | 退屈になるとじっとしていられない | 不注意 vs 多動性・衝動性の紛らわしい症状 - 「注意を持続できない」(不注意)vs「絶えず動く」(多動性) - 「物をなくす」(不注意)vs「その場を離れる」(多動性) - 「指示が完了できない」(不注意)vs「順番が待てない」(衝動性) 試験での選別方法 「内向的・静かな不注意」か「外向的・目立つ多動性」かで判断。本問では「物をなくす」=認知的・内的な注意機能の障害=不注意症状。
関連

▶ 第23回 全問一覧

▶ 言語発達障害学 の過去問一覧