第23回 言語聴覚士国家試験 第167問
言語発達障害学第23回
4歳の男児。主訴は「ことばが遅い」。特異的言語発達障害の診断に優先順位の低い検査はどれか。
- 1.フロスティッグ視知覚発達検査 ✓
- 2.新版K式発達検査2001
- 3.遊戯聴力検査
- 4.LCスケール
- 5.対人コミュニケーション行動観察フォーマット
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — フロスティッグ視知覚発達検査
特異的言語発達障害(SLI)の診断には、言語能力と認知能力の乖離を明確にすることが重要です。視知覚発達は言語発達障害の診断に直接的な情報をもたらさないため、優先順位が低くなります。一方、他の検査は言語機能、認知発達、聴覚、社会的相互作用などSLI診断に必須の情報を提供します。
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【各選択肢の解説】
1. フロスティッグ視知覚発達検査
❌ 誤り(優先順位が低い)。この検査は視知覚・視運動統合能力を評価するもので、言語発達障害の診断には直接的な関連性が薄いです。SLI診断では言語機能そのものの評価が優先されます。
2. 新版K式発達検査2001
✅ 正しい。認知能力全般(特に非言語性認知)を評価し、言語能力との乖離を明確にするために必須です。SLI診断の基準は「認知能力は正常範囲だが言語能力が低い」ことを確認することです。
3. 遊戯聴力検査
✅ 正しい。聴覚障害の除外診断に不可欠です。聴力低下があると二次的言語発達遅延が生じるため、SLI診断の前提として聴覚正常性の確認が必須です。
4. LCスケール
✅ 正しい。言語能力を体系的に評価する標準化検査で、言語発達障害の程度と特性を把握するために最優先の検査です。SLI診断の中核をなします。
5. 対人コミュニケーション行動観察フォーマット
✅ 正しい。社会的コミュニケーション能力を評価し、自閉スペクトラム症など他の発達障害との鑑別に重要です。SLI診断では社会性の有無を確認することが重要です。
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【試験対策ポイント】
特異的言語発達障害(SLI)診断に必須な検査と優先順位
| 検査名 | 評価内容 | SLI診断における役割 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| LCスケール | 言語能力 | 言語発達程度の測定(診断の中核) | 最優先 |
| 新版K式発達検査2001 | 認知発達 | 認知能力との乖離確認(SLIの定義) | 最優先 |
| 遊戯聴力検査 | 聴覚機能 | 聴覚障害の除外診断 | 優先 |
| 対人コミュニケーション行動観察フォーマット | 社会的相互作用 | 自閉症スペクトラムとの鑑別 | 優先 |
| フロスティッグ視知覚発達検査 | 視知覚・視運動統合 | 言語発達への直接的影響は低い | 低い |
SLI診断の基本原則
- 言語能力は発達水準より低い
- 認知能力は正常範囲以上
- 聴覚は正常
- 社会性の大きな問題なし
- 神経学的異常なし
頻出の誤認識
「視知覚発達と言語発達に関連性がある」と誤解しやすいが、SLI診断では言語機能と認知機能の評価が最優先であり、視知覚は副次的な評価に過ぎません。