第23回 言語聴覚士国家試験 第176問
音声障害第23回
ボイスプロテーゼを用いた気管食道瘻発声について正しいのはどれか。
a.食事中は発声できない。
b.電池を携帯する必要がある。
c.発声時に気管孔をふさぐ必要がある。
d.ボイスプロテーゼの定期的な交換が必要である。
e.発声時に食道に空気を取り込む必要がある。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d
ボイスプロテーゼを用いた気管食道瘻発声は、気管孔を塞いで呼気を食道に流入させ、食道振動を音源とする発声方法です。発声時に気管孔をふさぐ必要があり、ボイスプロテーゼは異物であるため定期的な交換・メンテナンスが不可欠です。
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【各選択肢の解説】
a. 食事中は発声できない。
❌ 誤り。ボイスプロテーゼを用いた気管食道瘻発声は、食事中であっても発声可能です。気管孔をふさぐだけで呼気を食道に流入させることで発声できるため、食事の有無は関係ありません。むしろ、食事と発声の両立が本法の利点の一つとされています。
b. 電池を携帯する必要がある。
❌ 誤り。ボイスプロテーゼは受動的なデバイスであり、音源は患者自身の食道振動です。電子音声合成装置(音声合成用の電池が必要)ではなく、食道発声と同じ原理で機能するため、電池は不要です。
c. 発声時に気管孔をふさぐ必要がある。
✅ 正しい。ボイスプロテーゼを用いた気管食道瘻発声の基本原理です。気管孔をふさぐことで呼気が食道に導かれ、プロテーゼを通じて食道が振動し、音声が産生されます。これが最大の特徴であり、操作のポイントです。
d. ボイスプロテーゼの定期的な交換が必要である。
✅ 正しい。ボイスプロテーゼは異物であり、使用とともに微生物増殖、物理的劣化、逆流液による腐食が進行します。通常3~6ヶ月ごとの交換が必要とされており、定期的なメンテナンスが発声品質の維持に不可欠です。
e. 発声時に食道に空気を取り込む必要がある。
❌ 誤り。気管孔をふさぐことで、患者の呼気が受動的に食道に流入します。患者が意図的に空気を「取り込む」のではなく、圧力勾配により呼気が食道に流れることが原理です。表現が不正確であり、誤りです。
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【試験対策ポイント】
気管食道瘻発声法の比較表
| 特徴 | 食道発声 | ボイスプロテーゼ法 |
|---|---|---|
| 音源 | 食道振動 | 食道振動(プロテーゼ介在) |
| 気管孔処置 | 不要 | 発声時に塞ぐ必須 |
| 電源 | 不要 | 不要 |
| 操作難易度 | 習得困難(訓練期間長い) | 習得容易 |
| 定期交換 | 不要 | 必要(3~6ヶ月) |
| 食事との両立 | 可能 | 可能 |
| 発声品質 | 習得者で良好 | 比較的安定 |
ボイスプロテーゼの実際:
- 気管孔に装着する一方向バルブデバイス
- 呼気を食道へ導き、食道振動を振幅増加させる
- インク漏れ、食物残渣付着により3~6ヶ月で交換
- 食道発声より習得が容易で、即座に実用的な発声が得られる