第23回 言語聴覚士国家試験 第178問
機能性構音障害第23回
小児の機能性構音障害の訓練適応はどれか。
a.誤り音の一貫性
b.誤り音の被刺激性
c.書字能力の遅れ
d.希薄な親子関係
e.集団内での二次的問題
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,b,e
機能性構音障害の訓練適応を判断する際は、「訓練によって改善しやすい要因」に着目する。誤り音の一貫性と被刺激性は訓練応答性の良い指標であり、集団内での二次的問題(劣等感・消極性など)は訓練で改善される心理社会的課題である。一方、書字能力や親子関係は構音障害と直接的な因果関係に乏しく、訓練適応判定の基準にはならない。
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【各選択肢の解説】
a. 誤り音の一貫性
✅ 正しい。同じ音が常に同じように誤って発音される(例:全ての「ラ」が「ダ」に置き換わる)場合、その音が習慣化しており訓練で修正可能な可能性が高い。逆に不規則に変動する誤りは器質的・神経学的問題を示唆するため訓練適応が低い。
b. 誤り音の被刺激性
✅ 正しい。聴覚的・視覚的フィードバックに敏感に反応し、言語聴覚士の示唆で正音を産出できる「被刺激性が高い」状態は、訓練応答性の最良の指標である。このような児は短期間で改善する傾向が強い。
c. 書字能力の遅れ
❌ 誤り。機能性構音障害と書字能力の遅れは独立した課題である。構音改善が書字能力向上をもたらすわけではなく、むしろ限局性学習障害の可能性を示唆する別個の問題として扱う必要がある。訓練適応判定の基準にはならない。
d. 希薄な親子関係
❌ 誤り。親子関係が希薄であることは訓練の「阻害要因」となる可能性はあるが、逆に訓練適応を判定する「適応指標」ではない。親子関係が良好であることは訓練効果を高める環境因子だが、その欠如は適応判定そのものの基準ではない。
e. 集団内での二次的問題
✅ 正しい。構音障害が原因で友人関係の問題や学校での消極性などの心理社会的課題が生じている場合、訓練によって構音が改善されれば同時に二次的問題の改善も期待できる。つまり訓練適応が高く、改善の実感が得られやすい。
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【試験対策ポイント】
訓練適応判定の3基準(機能性構音障害)
| 項目 | 訓練適応+ | 訓練適応− |
|---|---|---|
| 誤り音の性質 | 一貫性あり(習慣化) | 不規則変動(神経学的問題) |
| 被刺激性 | 高い(指示で修正可能) | 低い(修正困難) |
| 二次的問題 | あり(動機づけ強い) | なし(訓練効果の実感薄) |
訓練適応判定に「含まれない」項目
- 書字能力:独立した学習課題(構音と無関係)
- 親子関係:環境因子であり適応判定基準ではない
- 聴覚理解力の低さ、認知機能:これは除外診断につながる
機能性構音障害の前提
- 器質的異常なし
- 神経学的異常なし
- 一貫した音韻体系の誤り=「習慣」による問題