第23回 言語聴覚士国家試験 第179問
器質性構音障害第23回
乳児期の口蓋裂児への対応として適切なのはどれか。
- 1.歯列の矯正
- 2.哺乳・摂食指導 ✓
- 3.口蓋化構音の矯正
- 4.咽頭摩擦音の矯正
- 5.ブローイング指導
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 哺乳・摂食指導
乳児期の口蓋裂児に対する対応は、言語聴覚士の役割として「栄養摂取の確保」が最優先です。口蓋裂により、咀嚼機能が未発達な乳児は哺乳時に「鼻腔への逆流」「効率的な吸引力の喪失」が生じるため、哺乳方法の工夫(搾乳の工夫、特殊な哺乳瓶の使用、飲み込み指導)が直ちに必要となります。言語的問題(構音障害)への対応は、口蓋形成術後の回復期以降が適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 歯列の矯正
❌ 誤り。歯列矯正は乳児期ではなく、永久歯列期(10歳以降)が対象です。乳児期の口蓋裂児にはまだ乳歯が未生出状態であり、矯正適応がありません。
2. 哺乳・摂食指導
✅ 正しい。乳児期の最優先課題は「栄養摂取」です。口蓋裂により吸引力が低下し、誤嚥や鼻腔内逆流の危険があるため、哺乳瓶や搾乳方法の工夫、および飲み込み指導が言語聴覚士の重要な役割です。
3. 口蓋化構音の矯正
❌ 誤り。口蓋化構音は「開鼻声に伴う代償音」であり、乳児期には音韻体系そのものが発達していないため矯正対象になりません。口蓋形成術後(通常生後3〜12ヶ月)の回復を待ち、1〜2歳以降の言語発達期に対応すべきです。
4. 咽頭摩擦音の矯正
❌ 誤り。咽頭摩擦音も開鼻声に伴う代償音であり、やはり構音発達の過程で現れる音韻的問題です。乳児期の構音矯正は時期尚早です。
5. ブローイング指導
❌ 誤り。ブローイング(呼気流の活用訓練)は一般的に口蓋形成術後の音韻発達段階(2〜3歳以降)での訓練対象であり、乳児期には不適切です。また、ブローイング単独では開鼻声の改善に直結しません。
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【試験対策ポイント】
口蓋裂児の発達段階別対応
| 時期 | 優先課題 | 対応内容 |
|---|---|---|
| 乳児期(0〜1歳) | 栄養摂取確保 | 哺乳・摂食指導、搾乳工夫、特殊哺乳瓶 |
| 口蓋形成術前(〜6ヶ月頃) | 全身健康管理 | 栄養指導、聴覚スクリーニング(中耳炎防止) |
| 口蓋形成術後(6〜12ヶ月) | 音韻発達支援準備 | 経過観察、開鼻声評価 |
| 幼児期(1〜3歳) | 構音矯正開始 | 代償音の矯正、音韻療法 |
| 学童期(3〜6歳) | 音韻定着 | 構音矯正継続、学習支援 |
| 永久歯列期(10歳以降) | 形態的改善 | 歯列矯正、顎矯正手術の検討 |
頻出の誤選択肢パターン
- 「3・4・5番」は全て「構音矯正」関連だが、乳児期には時期尚早
- 「口蓋化」「咽頭摩擦音