STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第180問

器質性構音障害第23回
軟口蓋切除術後の重度の開鼻声に対して適用されるのはどれか。
  1. 1.人工喉頭
  2. 2.舌接触補助床
  3. 3.軟口蓋挙上装置
  4. 4.バルブ型スピーチエイド ✓
  5. 5.スピーチカニューレ

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — バルブ型スピーチエイド 軟口蓋切除術後の開鼻声は、口腔と鼻腔の分離機能が失われ、呼気が鼻腔に逆流することが原因です。バルブ型スピーチエイドは気管切開孔に装着され、気流を制御して音声生成を補助する装置で、重度の開鼻声に対して適応があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 人工喉頭 ❌ 誤り。人工喉頭は喉頭全摘出患者や声帯麻痺などで音声源そのものを失った患者に対する装置です。軟口蓋切除後の開鼻声は音声源は正常であるため、人工喉頭は適応外です。 2. 舌接触補助床 ❌ 誤り。舌接触補助床は口蓋部分の形態を補正し、舌接触の範囲を広げることで構音を改善する装置です。開鼻声(鼻腔への気流逆流)の根本的な解決にはならず、軟口蓋切除後の重度開鼻声には不十分です。 3. 軟口蓋挙上装置 ❌ 誤り。軟口蓋挙上装置は軟口蓋が存在し、その運動性が低下している患者(例:軽度不全麻痺)に対するものです。軟口蓋切除術後は軟口蓋そのものが存在しないため、この装置は装着不可能です。 4. バルブ型スピーチエイド ✅ 正しい。気管切開孔に装着し、呼気を制御して口腔内で音声を生成させる装置です。軟口蓋が欠損している状態でも、呼気の流れをコントロールすることで開鼻声を軽減し、音声の改善を図ることができます。軟口蓋切除術後の重度開鼻声に対する主要な適応です。 5. スピーチカニューレ ❌ 誤り。スピーチカニューレは気管切開カニューレの一種で、呼気を喉頭に向わせることで音声生成を補助します。軟口蓋切除後の開鼻声軽減には、バルブ型スピーチエイドほどの効果が期待できません。 --- 【試験対策ポイント】 器質性構音障害(軟口蓋切除術後)に対する補助装置の選択基準 | 装置名 | 適応患者 | 機能 | 軟口蓋切除後での有用性 | |---|---|---|---| | 舌接触補助床 | 軟口蓋存在+運動性↓ | 口蓋形態補正 | ✗ 低い | | 軟口蓋挙上装置 | 軟口蓋存在+不全麻痺 | 軟口蓋機械的挙上 | ✗ 不可能(軟口蓋欠損) | | バルブ型スピーチエイド | 気管切開患者(音声源喪失or構音障害) | 呼気制御+音声生成 | ◎ 高い | | スピーチカニューレ | 気管切開患者 | 呼気喉頭向動 | △ 中程度 | | 人工喉頭 | 喉頭全摘・音声源喪失 | 外部音源 | ✗ 不適応 | 重要:軟口蓋が欠損している場合、形態補正型の装置(舌接触補助床・軟口蓋挙上装置)は物理的に装着・機能できない。気流制御型(バルブ型スピーチエイド)が最適。
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