第23回 言語聴覚士国家試験 第18問
臨床歯科医学/口腔外科学第23回
要介護高齢者に対する口腔ケアで予防効果がみられるのはどれか。
- 1.C型肝炎
- 2.口部ジスキネジア
- 3.顎関節症
- 4.誤嚥性肺炎 ✓
- 5.三叉神経痛
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 誤嚥性肺炎
口腔ケアにより口腔内の細菌数が減少することで、誤嚥時に肺に流入する病原菌の量が低下し、誤嚥性肺炎の発症リスクが有意に低減することが複数の臨床研究で証明されています。特に要介護高齢者は嚥下機能が低下しており、口腔ケアの予防効果は極めて大きいとされています。
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【各選択肢の解説】
1. C型肝炎
❌ 誤り。C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)の血液感染により成立する全身性ウイルス感染症であり、口腔ケアによる予防効果はありません。口腔内には感染経路が存在しないため、口腔衛生管理の対象外です。
2. 口部ジスキネジア
❌ 誤り。口部ジスキネジア(舌や口周囲の不随意運動)は神経系の器質的病変(薬物性パーキンソニズムなど)に由来する症状であり、口腔ケアで予防・改善することはできません。原因疾患の治療が必要です。
3. 顎関節症
❌ 誤り。顎関節症は咬合不全、ストレス、習癖などの多因子が関与する機能的疾患であり、口腔ケアの実施では予防効果がありません。顎関節の関節円板障害や筋肉緊張が主原因となります。
4. 誤嚥性肺炎
✅ 正しい。要介護高齢者は摂食・嚥下機能の低下により不顕性誤嚥を起こしやすく、口腔内の常在菌が肺に流入することで誤嚥性肺炎が発症します。口腔ケアにより口腔常在菌を減少させることで、発症リスクを約30~40%低減するというエビデンスがあります。
5. 三叉神経痛
❌ 誤り。三叉神経痛は三叉神経の圧迫や脱髄など神経学的原因に基づく疾患であり、口腔内の細菌環境とは無関係です。口腔ケアでは予防・軽減効果はなく、医学的治療(薬物療法・ブロック注射など)が必要です。
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【試験対策ポイント】
口腔ケアの予防効果(ST国試重要項目)
| 疾患・症状 | 予防効果 | 理由 |
|---|---|---|
| 誤嚥性肺炎 | ✅ あり | 口腔内細菌減少→肺炎起炎菌低下 |
| 虫歯 | ✅ あり | プラーク・歯垢除去 |
| 歯周病 | ✅ あり | 炎症局所の感染制御 |
| う蝕 | ✅ あり | フッ化物応用・プラーク除去 |
| 口内炎 | ⚠️ 軽減 | 物理的刺激・感染予防 |
| 口部ジスキネジア | ❌ なし | 神経系の器質的障害 |
| 顎関節症 | ❌ なし | 多因子疾患(咬合・ストレス) |
| 三叉神経痛 | ❌ なし | 神経圧迫・脱髄が原因 |
| C型肝炎 | ❌ なし | 血液感染(口腔経路ではない) |
キーワード
- 口腔ケアの直接効果:プラーク除去・細菌減少・感染予防
- 口腔ケアの限界:神経疾患・全身感染症・関節疾患には無効
- 誤嚥性肺炎予防