第23回 言語聴覚士国家試験 第19問
臨床神経学第23回
クロイツフェルト・ヤコブ病によくみられる不随意運動はどれか。
- 1.ミオクローヌス ✓
- 2.アテトーゼ
- 3.ジストニア
- 4.バリスム
- 5.チック
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — ミオクローヌス
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は急速進行する神経変性疾患で、特に脳皮質と視床の障害により、筋肉の突然的で不規則な収縮を特徴とするミオクローヌスが高頻度にみられます。このミオクローヌスは診断の重要な臨床徴候となり、他の不随意運動よりもはるかに一般的です。
---
【各選択肢の解説】
1. ミオクローヌス
✅ 正しい。CJDでは皮質性ミオクローヌスが典型的で、特に経過中盤から後期にかけて顕著になります。筋電図では1秒以下の短い筋放電として記録され、CJD診断の確実な所見とされています。
2. アテトーゼ
❌ 誤り。アテトーゼ(徐動性不随意運動)は線条体や淡蒼球の障害で生じ、脳性麻痺や多発性硬化症など他の疾患に特徴的です。CJDの主病変は脳皮質と視床であり、アテトーゼは一般的ではありません。
3. ジストニア
❌ 誤り。ジストニア(筋肉の持続的異常収縮)は黒質線条体系の障害で起こります。CJDでは線条体への一次的障害は著明でなく、ジストニアは稀な合併症です。
4. バリスム
❌ 誤り。バリスム(片側性の激しい不規則運動)は対側視床下核の破壊で生じます。CJDは両側性の脳病変であり、単側性バリスムの典型的原因ではありません。
5. チック
❌ 誤り。チックは反復的で常同的な不随意運動であり、トゥレット症候群など別の神経疾患に特徴的です。CJDのミオクローヌスは不規則かつ多変的で、チックとは異なります。
---
【試験対策ポイント】
不随意運動と責任病変の対応表
| 不随意運動 | 責任病変 | 代表的疾患 |
|---|---|---|
| ミオクローヌス | 脳皮質・視床 | CJD、進行性ミオクローヌスてんかん |
| アテトーゼ | 線条体・淡蒼球 | 脳性麻痺、多発性硬化症 |
| ジストニア | 黒質線条体系 | パーキンソン病、Wilson病 |
| バリスム | 視床下核 | 視床下核梗塞 |
| 振戦 | 視床・小脳 | 本態性振戦、パーキンソン病 |
| チック | 前頭葉・線条体 | トゥレット症候群 |
CJD特徴的所見
- 急速進行性認知症(通常3〜6ヶ月で進行)
- 脳脊髄液14-3-3タンパク上昇
- 頭部MRI:皮質リボン徴候、基底核高信号
- EEG:周期性鋭波複合体(PSD)がみられる
- ミオクローヌスの出現は進行の指標
ミオクローヌスの臨床的特徴
- 起始:皮質電位に遡行可能(皮質性ミオクローヌス)
- 持続時間:100〜300msの短い筋放電
- 不規則性:特に上肢に顕著
- 進行との関連:認知機能低下と並行して増加