STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第181問

運動障害性構音障害第23回
痙性構音障害でみられないのはどれか。
  1. 1.開鼻声
  2. 2.努力性噴声
  3. 3.声のふるえ ✓
  4. 4.発話のとぎれ
  5. 5.発話速度の低下

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 声のふるえ 痙性構音障害は両側錐体路障害による構音障害であり、特徴的症状は「努力性」「痙性」「硬直的」な発話です。声のふるえ(振戦)は小脳障害や錐体外路障害の症状であり、痙性構音障害ではみられません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 開鼻声 ❌ 誤り(実は見られる場合がある)。痙性構音障害では軟口蓋の痙性麻痺により閉鎖不全が生じ、開鼻声が出現することがあります。ただし主症状ではなく、弛緩性構音障害(球麻痺)ほど顕著ではありません。 2. 努力性嗄声 ✅ 正しい。これは痙性構音障害の極めて特徴的な症状です。声帯周囲筋の過度な緊張により発声時に努力感が伴い、搾り出すような嗄声が生じます。痙性構音障害の診断的徴候の一つです。 3. 声のふるえ ✅ 正しい(痙性構音障害では見られない)。振戦は錐体外路障害(パーキンソン病など)や小脳障害(失調性構音障害)の症状です。痙性構音障害では発話がぎこちなく硬直的ですが、リズミカルな振戦は出現しません。 4. 発話のとぎれ ✅ 正しい。痙性構音障害では声門下圧の制御困難により、発話が不規則に途切れる(短句化)ことがあります。これは発話の努力性と関連しています。 5. 発話速度の低下 ✅ 正しい。痙性構音障害では発話の努力性と筋緊張の亢進により、通常よりも遅い速度での発話を余儀なくされます。 --- 【試験対策ポイント】 Mayo分類における各構音障害の特徴的症状 | 構音障害タイプ | 原因 | 声質 | 特徴的症状 | |---|---|---|---| | 痙性 | 両側錐体路障害 | 努力性嗄声・閉鎖音化 | 硬直的、短句化、発話遅延 | | 弛緩性 | 下位運動ニューロン | 開鼻声・気息性嗄声 | 鼻漏出、軟音化 | | 失調性 | 小脳障害 | 正常または粗い | スキャニング、断綴性発話 | | 運動低下性 | 錐体外路障害 | 単調・低音量 | 加速現象、音量減少 | | **混合性** | **ALS** | **複数の特徴** | **複数の症状併存** | 振戦が見られる構音障害 - 失調性構音障害(小脳障害):振戦性発話 - 錐体外路障害(パーキンソン病など):安静時振戦 - 本態性振戦 - 痙性構音障害では見られない 頻出の「見られない症状」問題 - 痙性:「振戦」「加速現象」は見られない - 弛緩性:「スキャニング」「短句化」は見られない - 失調性:「努力性嗄声」は見られない
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