第23回 言語聴覚士国家試験 第185問
嚥下障害第23回
嚥下造影検査が嚥下内視鏡検査よりも有用な評価項目はどれか。
- 1.喉頭挙上障害 ✓
- 2.声門閉鎖不全
- 3.カーテン徴候
- 4.梨状陥凹の唾液残留
- 5.咽頭・喉頭の感覚低下
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 喉頭挙上障害
嚥下造影検査(VF)は食物・造影剤の動きを動画で追跡できるため、咽頭期の喉頭挙上という動的な変化を定量的に評価するのに優れています。一方、嚥下内視鏡検査(VE)は嚥下反射時に視野が一時的に遮光(ホワイトアウト)するため、喉頭挙上の程度や速度を直接観察することが困難です。
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【各選択肢の解説】
1. 喉頭挙上障害
✅ 正しい。喉頭挙上は動的な変化であり、VFの連続画像では時系列で挙上距離や速度を定量的に測定できます。一方VEはホワイトアウト中は評価不可能であるため、VFが優位です。
2. 声門閉鎖不全
❌ 誤り。VEは内視鏡先端が喉頭内にあり、声門部の閉鎖状態を直接視認できるため、VEの方が有用です。声門閉鎖の完全性・対称性を細部まで観察可能です。
3. カーテン徴候
❌ 誤り。カーテン徴候(口蓋咽頭筋の収縮による軟口蓋の挙上)はVEで軟口蓋の動きを直接観察できるため、VEの方が有用です。VFでも描出されますが、軟口蓋の詳細な動きはVEが優位です。
4. 梨状陥凹の唾液残留
❌ 誤り。梨状陥凹は解剖学的に特定できる領域であり、VEは内視鏡で直接残留物を視認・吸引できるため、VEの方が圧倒的に有用です。嚥下後残留物の検出と処理はVE本来の強みです。
5. 咽頭・喉頭の感覚低下
❌ 誤り。感覚低下はVEで咽頭・喉頭への触刺激に対する反応の有無を直接確認できるため、VEが最適です。触覚検査は内視鏡でこそ実施可能です。
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【試験対策ポイント】
VF と VE の役割分担の核心
| 評価項目 | VF優位 | VE優位 |
|---|---|---|
| 喉頭挙上(動的評価) | ◎ 定量測定可 | × ホワイトアウト障害 |
| 声門閉鎖不全 | △ 側面像のみ | ◎ 直視確認 |
| 梨状陥凹残留 | △ 造影剤で推定 | ◎ 直視・吸引可能 |
| 感覚評価 | × 実施不可 | ◎ 触刺激で確認 |
| 嚥下反射の瞬間 | ◎ 連続画像記録 | × ホワイトアウト |
| 口腔期の詳細 | ◎ 側面像で観察 | △ 狭視野 |
重要な否定知識
- VEで「ホワイトアウト」が生じる理由=喉頭が上方移動して内視鏡スコープを覆うため
- 嚥下反射の瞬間(咽頭期)はVEでは評価不可能
- しかし「嚥下後の残留物管理」はVEの最大の強み
本問の本質
嚥下造影検査が優位な項目は「動的な変化を時間軸で記録・測定する必要がある現象」です。喉頭挙上は咽頭期開始と同時に急速に上昇し、その速度・幅が嚥下機能を反映する重要な指標であるため、VFの連続画像が評価に最適