STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第186問

嚥下障害第23回
嚥下訓練中に激しく誤嚥した場合にまず行う対応はどれか。 a.咳を促す。 b.口腔咽頭内を吸引する。 c.水を飲ませる。 d.血液検査を行う。 e.側臥位にする。 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,b,e 嚥下訓練中の誤嚥は気道異物を生じた緊急状態です。まず行うべき対応は、気道クリアランスの確保と誤嚥物除去です。咳を促して自力排出を促し、効果がなければ吸引で口腔咽頭内の異物を除去し、側臥位で気道確保と重力を利用した流出を図ります。水を飲ませることと血液検査は、この段階では不適切です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 咳を促す。 ✅ 正しい。咳反射は気道異物の自力排出に最も有効な方法です。まず咳を促して異物除去を試みることが第一選択です。 b. 口腔咽頭内を吸引する。 ✅ 正しい。自力咳で排出できない場合、吸引により口腔咽頭内の異物・分泌物を直接除去し気道を確保します。 c. 水を飲ませる。 ❌ 誤り。激しい誤嚥直後に水を飲ませることは追加誤嚥のリスクを高めます。気道の安全性が確認されるまで経口摂取は禁止です。 d. 血液検査を行う。 ❌ 誤り。気道異物による急性呼吸危機が差し迫っている状況で、血液検査は優先度が極めて低い検査です。後発的な脂肪塞栓などが懸念される場合の検査であり、初期対応ではありません。 e. 側臥位にする。 ✅ 正しい。側臥位により気道確保が容易になり、重力で異物・分泌物が下咽頭から口腔方向へ流出しやすくなります。仰臥位は避けるべき体位です。 --- 【試験対策ポイント】 激しい誤嚥時の対応フロー: | 段階 | 対応 | 根拠 | |---|---|---| | 即時対応 | 咳を促す | 気道異物の自力排出が最優先 | | 咳で不十分 | 吸引(口腔咽頭) | 医学的異物除去で気道確保 | | 体位管理 | 側臥位 | 気道開放性維持+重力排出 | | 呼吸監視 | バイタル・酸素飽和度確認 | 呼吸困難の有無判定 | | 禁止 | 水・経口摂取・血液検査など | 状況悪化・不要検査 | 重要な否定知識: - 「嚥下造影検査」「血液検査」は緊急時に実施不可 - 「経口摂取再開」は気道安全性確認後に限定 - 「神経学的検査」より「気道クリアランス」が優先 誤嚥の重症度判断キーワード:咳の有無→咳がない激しい誤嚥は「サイレント誤嚥」で気道保護機制の喪失を示唆
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