第23回 言語聴覚士国家試験 第187問
吃音第23回
吃音について誤っている組合せはどれか。
- 1.ブロック ――― 環境的要因 ✓
- 2.クラタリング ――― 衝動的な話し方
- 3.リッカムプログラム ――― 両親による指導
- 4.メンタルリハーサル法 ――― 間接的訓練
- 5.セルフ・ヘルプグループ ――― 社会的支援
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — ブロック ――― 環境的要因
ブロックは吃音の核症状(中核症状)であり、神経生物学的・遺伝的要因に基づく内的要因に由来します。環境的要因はブロックの発症原因ではなく、むしろブロックを含む吃音全般が「環境によって増減する」という特徴を持つだけです。ブロック自体の発生メカニズムは環境要因では説明できません。
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【各選択肢の解説】
1. ブロック ――― 環境的要因
❌ 誤り。ブロック(音声が出ない状態:「ア・ア・あ、ありがとう」の停止)は吃音の核症状で、神経生物学的・遺伝的素因に基づく内因性の現象です。環境的要因(話し相手・話題・ストレス)は症状を増減させますが、発症原因そのものではありません。
2. クラタリング ――― 衝動的な話し方
✅ 正しい。クラタリングは「急速で不規則な発話」「考えてから話さない衝動的なしゃべり方」が特徴で、吃音とは区別される流暢性障害です。吃音は努力的・緊張的であるのに対し、クラタリングは無自覚・衝動的です。
3. リッカムプログラム ――― 両親による指導
✅ 正しい。オーストラリアの親志向型プログラムで、両親(保護者)が家庭内で子どもの吃音に対して反応を変える訓練を行う、実証性の高い早期介入法です。
4. メンタルリハーサル法 ――― 間接的訓練
✅ 正しい。メンタルリハーサル法は、実際の話場面を想定して心理的に準備する方法で、行動的な直接訓練(例:変動法・遅延聴覚フィードバック)とは異なり、心理的・認知的側面からのアプローチです。
5. セルフ・ヘルプグループ ――― 社会的支援
✅ 正しい。同じ吃音を持つ者同士が集まり、情報共有・相互支援・社会的孤立感の軽減を図る手段で、QOL向上における重要な社会的支援です。
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【試験対策ポイント】
吃音の核症状と要因の整理:
| 項目 | 分類 | 特徴 |
|---|---|---|
| ブロック | 核症状(内因性) | 音声が出ない。神経生物学的素因 |
| リピーション | 核症状(内因性) | 音や音節の繰り返し |
| プロロンゲーション | 核症状(内因性) | 音の延伸 |
| 随伴運動 | 二次症状 | 環境・心理的反応で増減 |
クラタリング vs 吃音の区別:
| 特徴 | クラタリング | 吃音 |
|---|---|---|
| 発話速度 | 異常に速い | 不規則 |
| 本人の認識 | 無自覚・気にしない | 自覚・焦燥感 |
| 原因 | 中枢神経の統制不全 | 神経生物学的素因 |
治療法の分類:
直接訓練:変動法(フルエンシーシェイピング)、遅延聴覚フィードバック
間接訓練:メンタルリハーサル、オートジェニックトレーニング
親志向型:リッカムプログラム(両親教育が中心)
心理社会的支援:セルフ・ヘルプグループ、カウンセリング
頻出ポイント:環境的要因は「症状の修飾因子」(増減させる)であり「発症原因」ではない点