第23回 言語聴覚士国家試験 第188問
吃音第23回
吃音がある4歳児の両親への指導として正しいのはどれか。
- 1.吃音をその都度注意する。
- 2.子供にささやき声で話させる。
- 3.子供の話を最後まで聞く。 ✓
- 4.子供が「言えない」と訴えたら練習させる。
- 5.苦手な言葉を言い換えさせる。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 子供の話を最後まで聞く。
4歳児の吃音に対する両親指導の根本原則は、話す環境のストレス軽減と「聴き手の受容的態度」です。子どもが話している最中に訂正や催促をされないことが、吃音を悪化させない最重要条件とされています。最後まで聞く対応は、子どもの話す時間的プレッシャーを減らし、吃音症状そのものよりも「伝えたい内容」に焦点を当てることで、二次的な緊張や回避行動を防ぎます。
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【各選択肢の解説】
1. 吃音をその都度注意する。
❌ 誤り。その都度注意すると、子どもは「話し方」に意識が集中して緊張が高まり、吃音が著しく悪化します。親による修正や指摘は吃音の二次的障害(恐怖・回避)を招く最も有害な対応です。
2. 子供にささやき声で話させる。
❌ 誤り。ささやき声発話は音声障害児への指導法であり、吃音に対しては根拠がありません。むしろ異常な発話様式を強化する可能性があります。
3. 子供の話を最後まで聞く。
✅ 正しい。両親が「受容的・急かさない聴き手」になることが、吃音児の心理的安定と症状軽減の基盤です。話し終わるまで待つ姿勢により、発話時の時間的プレッシャーが軽減されます。
4. 子供が「言えない」と訴えたら練習させる。
❌ 誤り。この段階での「練習」強化は、親自身が子どもを修正者・訓練者として認識させ、吃音症状への恐怖と回避行動を強化します。むしろ共感的受容(「そうだね、そういうときもあるね」)が適切です。
5. 苦手な言葉を言い換えさせる。
❌ 誤り。言葉の回避は、将来的な症状悪化と音韻体系の獲得阻害につながります。幼児期の吃音では「どの言葉でもいい」「何度言い直してもいい」という環境が重要です。
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【試験対策ポイント】
吃音児への両親指導(幼児期・維持期)
| 推奨行動 | 避けるべき対応 |
|---|---|
| 話を最後まで聞く(時間的余裕) | その都度注意・修正する |
| 話題よりも内容に焦点当て | 「言い方」「言い直し」に指摘 |
| 一日15分程度の個別関わり | 練習・訓練の強制 |
| 成功体験の増加(得意な話題) | 苦手な言葉の回避奨励 |
| ゆっくり話しかける大人モデル | 急かしたり、せかしたり |
| 子どもの話を反映(オウム返し) | 言い換えさせる |
キーワード:
- 「受容的態度」「話す環境の調整」が一次治療
- 「訂正・修正」は二次的障害(不安・回避)を招く
- 幼児期吃音:親の対応で約70%は自然軽快
- 「練習」「訓練」は学童期以降、医学的必要性が明確な場合のみ