第23回 言語聴覚士国家試験 第189問
小児聴覚障害第23回
幼児前期の難聴児指導で優先度が最も低いのはどれか。
- 1.聴覚補償
- 2.文字の導入
- 3.情動的関係性
- 4.構音の訓練 ✓
- 5.絵本の読み聞かせ
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 構音の訓練
幼児前期(1~3歳)は音声言語の基礎が形成される時期であり、難聴児指導の優先度は「聴覚の活用→言語基礎→社会性」の順序で設定されます。構音訓練は、ある程度の言語基盤が整った幼児後期以降(4~6歳)に重点的に行う内容であり、幼児前期では優先度が低いとされています。
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【各選択肢の解説】
1. 聴覚補償
❌ 優先度は最も低くない。幼児前期では補聴器や人工内耳の装用と聴覚活用訓練が最優先です。難聴児が音声言語を獲得するための基盤となります。
2. 文字の導入
❌ 優先度は最も低くない。読み書き能力の発達に先立ち、文字への興味付けと導入は幼児前期から段階的に行われます。特に、音韻認識を支える重要な活動です。
3. 情動的関係性
❌ 優先度は最も低くない。親子の情動的な絆と関係性は、すべての学習の基盤です。幼児前期では信頼関係の構築が言語獲得を促進するため、最優先事項に位置します。
4. 構音の訓練
✅ 正しい。幼児前期では音韻体系の基礎がまだ未成熟であり、個別の構音訓練の効果は限定的です。構音明瞭度の改善は幼児後期以降、言語基盤がある程度確立してからの課題となります。
5. 絵本の読み聞かせ
❌ 優先度は最も低くない。読み聞かせは音韻認識、語彙拡大、ストーリー理解を促進する効果的な活動であり、幼児前期の言語獲得に重要です。
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【試験対策ポイント】
難聴児指導の優先度(幼児前期の段階性)
| 段階 | 優先順位 | 主要活動 | 時期 |
|---|---|---|---|
| 1 | 最優先 | 聴覚補償(補聴器・人工内耳装用)&情動的関係性構築 | 幼児前期(1~3歳)|
| 2 | 高 | 聴覚活用訓練・音韻基礎の形成・語彙拡大 | 幼児前期 |
| 3 | 中 | 文字導入(興味付け段階)・読み聞かせ | 幼児前期~後期 |
| 4 | 低 | 構音訓練(個別的な音の練習) | 幼児後期以降(4~6歳) |
キーワード
- 音韻体系の成熟:4~5歳でほぼ完成(幼児前期は未成熟)
- 構音訓練の効果:言語基盤がある程度確立しないと定着が困難
- 「音を聞かせる」→「言語基礎」→「明瞭さの調整」の順序