第23回 言語聴覚士国家試験 第190問
小児聴覚障害第23回
両側小耳症・外耳道閉鎖症の聴力改善の対処法として適切なのはどれか。
a.アブミ骨手術
b.骨導補聴器
c.人工中耳
d.耳介形成術
e.人工内耳
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b,c
両側小耳症・外耳道閉鎖症は外耳道が形成されていないため、通常の空気導補聴器は装用不可です。この場合、骨導補聴器(b)と人工中耳(c)が聴力改善の主要な対処法となります。これらは外耳道を経由せず、直接的に音声情報を内耳へ伝達できます。
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【各選択肢の解説】
a. アブミ骨手術
❌ 誤り。外耳道閉鎖症では外耳道そのものが存在しないため、中耳の手術単独では音が外耳道を経由して鼓膜に到達できません。外耳道形成術を伴わない限り、アブミ骨手術の適応にはなりません。
b. 骨導補聴器
✅ 正しい。頭蓋骨に直接振動を加えることで、外耳道・中耳を経由せずに内耳(蝸牛)へ音を伝達します。外耳道閉鎖症の第一選択肢であり、簡便で非侵襲的です。
c. 人工中耳
✅ 正しい。蝸牛への直接刺激装置(例:Vibrant Soundbridge)として機能し、外耳道閉鎖症でも中耳の可動性が保持されていれば適応となります。より小型・自然な聴覚再現が可能です。
d. 耳介形成術
❌ 誤り。耳介形成術は小耳症の形態改善を目的とするもので、聴力改善には直接寄与しません。聴覚機能と外観形成は独立した課題です。
e. 人工内耳
❌ 誤り。人工内耳の適応は「高度~重度の感音難聴」です。外耳道閉鎖症は伝音難聴であり、感音難聴を基礎に持たない限り人工内耳は不適応となります。本症例で感音難聴が併存していない場合、侵襲的な人工内耳埋め込みは不要です。
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【試験対策ポイント】
| 対処法 | 原理 | 適応条件 | 侵襲性 |
|---|---|---|---|
| 骨導補聴器 | 頭蓋骨への振動伝達 | 外耳道閉鎖症・伝音難聴全般 | 非侵襲的 |
| 人工中耳 | 中耳~内耳への振動刺激 | 外耳道閉鎖症+中耳可動性保持 | 手術要 |
| 人工内耳 | 蝸牛神経への直接電気刺激 | 感音難聴(高度~重度) | 手術要(最も侵襲的) |
| 外耳道形成術 | 外耳道の外科的形成 | 小耳症・外耳道閉鎖症(聴力改善以外の課題) | 手術要・成功率限定的 |
**外耳道閉鎖症の聴力改善の基本戦略:**
- 第一選択=骨導補聴器(非侵襲的・コスト効率的)
- 第二選択=人工中耳(より自然な音響特性、手術適応が限定的)
- 第三選択=外耳道形成術+従来型補聴器(成功率30~70%と個人差大、合併症リスク)
**紛らわしい誤選肢の識別:**
- e(人工内耳)を選ぶ誤り:「小児難聴=人工内耳」という先入観。実際には伝音難聴では不適応
- a(アブミ骨手術)を選ぶ誤り:「中耳手術なら改善する」という誤解。外耳道の欠損が