第23回 言語聴覚士国家試験 第20問
呼吸系第23回
誤っているのはどれか。
- 1.呼気流率は発声時1秒間に消費される呼気流量である。
- 2.健常者の呼気流率は声の高さや大きさによらずほぼ一定値である。 ✓
- 3.声門閉鎖不全例では呼気流率が増加する。
- 4.気流阻止法で測定される口腔内圧は発声時の呼気圧を示す。
- 5.呼気圧は呼気努力を評価する意義をもつ。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 健常者の呼気流率は声の高さや大きさによらずほぼ一定値である
呼気流率は声の高さ(基本周波数)と大きさ(音圧レベル)に大きく依存します。特に声の大きさが増加するほど呼気流率は増加し、小さな声では減少します。「ほぼ一定値」という記述が誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 呼気流率は発声時1秒間に消費される呼気流量である。
✅ 正しい。呼気流率(mean flow rate)は「1秒当たりの呼気流量の平均値」で、単位はmL/s(ミリリットル毎秒)で表現されます。発声時に呼気がどのくらいの速度で消費されるかを示す重要な指標です。
2. 健常者の呼気流率は声の高さや大きさによらずほぼ一定値である。
❌ 誤り。呼気流率は複数の要因に左右されます。特に「声の大きさ(音圧レベル)」が増加するほど呼気流率は増加し、逆に小さな声では減少します。基本周波数(音の高さ)にも影響を受けることがあり、「ほぼ一定値」という説明は不正確です。
3. 声門閉鎖不全例では呼気流率が増加する。
✅ 正しい。声門が十分に閉鎖されないと、呼気がより多くリークして口腔から漏出するため、呼気流率が増加します。この現象は嗄声患者や声門麻痺患者で典型的に観察されます。
4. 気流阻止法で測定される口腔内圧は発声時の呼気圧を示す。
✅ 正しい。気流阻止法(flow interruption method)では、気流を瞬間的に遮断し、その時点での口腔内圧を測定します。このとき測定される圧は声帯下圧(subglottal pressure)の代理指標として発声時の呼気圧を反映しています。
5. 呼気圧は呼気努力を評価する意義をもつ。
✅ 正しい。呼気圧が高いほど呼吸筋の収縮力が強いことを示し、呼吸機能や発声時の呼気努力の程度を評価するうえで臨床的に有用な指標です。特に呼吸器疾患や神経筋疾患患者の評価に用いられます。
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【試験対策ポイント】
音声呼吸検査の基本概念:
| 測定項目 | 定義 | 臨床意義 |
|---|---|---|
| 呼気流率(MFR) | 発声時の1秒当たり呼気流量(mL/s) | 声門閉鎖能評価;異常では増加 |
| 基本周波数(F0) | 声帯振動の周期;音の高さ | 性別・年齢・感情状態を反映 |
| 最長発声持続時間(MPT) | 一呼吸での最長発声時間 | 呼気支持能・声門閉鎖能 |
| 呼気圧 | 発声時の声帯下圧(気流阻止法) | 呼気努力;呼吸筋力評価 |
呼気流率に影響する要因:
【大きく影響する】
- 声の大きさ(音圧レベル):↑大きい=流率↑
- 声門閉鎖不全:リーク増加=流率↑
【中程度影響】
- 基本周波数(音の高さ)
- 音声の質的特性
【影響しない】
- 話者の性別(成人同士比較時)
- 文化的背景
頻出の誤りパターン:
「声門機