STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第192問

小児聴覚障害第23回
新生児聴覚スクリーニングをパスしていた児が4歳時に難聴と診断された。考えられるのはどれか。
  1. 1.耳硬化症
  2. 2.GJB2変異
  3. 3.前庭水管拡大症 ✓
  4. 4.トリーチャー・コリンズ症候群
  5. 5.先天性風疹症候群

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 前庭水管拡大症 新生児聴覚スクリーニング(NHS)をパスしながら、4歳時に難聴と診断されるケースは「進行性難聴」を示唆しています。前庭水管拡大症(LVAS)はNHS通過後の進行性感音難聴の代表的原因であり、外部の物理的刺激(頭部外傷、急激な気圧変化、反復的な頭部運動など)によって感音難聴が顕在化・進行することが特徴です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 耳硬化症 ❌ 誤り。耳硬化症は成人(30~50歳代)で発症することが多く、小児4歳での発症は極めて稀です。また進行性難聴ですが、NHS通過後の小児進行性難聴としては前庭水管拡大症が圧倒的に頻度が高い選択肢です。 2. GJB2変異 ❌ 誤り。GJB2はコネクシン26をコードする遺伝子で、先天性難聴の最大原因です。GJB2変異による難聴は「先天性(出生時から存在)」であるため、NHSでほぼ必ず検出されます。4歳時に初めて診断されるパターンには不適切です。 3. 前庭水管拡大症(LVAS) ✅ 正しい。前庭水管拡大症はNHS通過後の進行性感音難聴の最大原因です。生まれた時点では聴力が正常範囲内(スクリーニング合格)でも、外部刺激による内リンパ液の漏出により、乳幼児期~児童期に進行性の難聴が顕在化します。頭部外傷後の急激な悪化も特徴です。 4. トリーチャー・コリンズ症候群 ❌ 誤り。トリーチャー・コリンズ症候群は常染色体優性遺伝疾患で、下顎骨と耳介の奇形を伴う先天性障害です。難聴は先天性(伝音性)であり、NHSでほぼ確実に検出される学的症候群であるため、4歳での診断は矛盾します。 5. 先天性風疹症候群 ❌ 誤り。先天性風疹症候群の難聴は「先天性」であり、母親の妊娠初期の風疹感染による症候群です。NHSで検出されるべき聴力障害であり、4歳時の初診断は整合性を欠きます。 --- 【試験対策ポイント】 NHS通過後の小児進行性難聴の鑑別 | 疾患 | 難聴の発症時期 | 難聴のパターン | NHS合格後の発症 | 特徴 | |---|---|---|---|---| | 前庭水管拡大症 | 乳幼児期~児童期 | 進行性感音難聴 | ✓ はい | 外部刺激で悪化・頭部外傷後急悪化 | | GJB2変異 | 出生時 | 先天性感音難聴 | ✗ いいえ | NHSで検出される | | トリーチャー・コリンズ症候群 | 出生時 | 先天性伝音難聴 | ✗ いいえ | 顔面奇形(下顎骨・耳介)が顕著 | | 先天性風疹症候群 | 出生時 | 先天性感音難聴 | ✗ いいえ | 白内障・心疾患・肝脾腫との合併 | | 耳硬化症 | 30~50歳代 | 進行性難聴 | ✗ いいえ | 成人発症、小児例は稀 | キーワード: - NHS通過 = 出生時または
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